三色スミレ5【臣×玲】

危険人物 ページ44

Aside





隆二「うま〜」


A「生き返る〜」





ここどうぞって、わざわざ砂を払ってくれたベンチ

ふたりで座りながらかき氷を食べる。





隆二「これは俺らしか味わえないね。笑」


A「向こうまで持ってったら溶けちゃいますもん。」


隆二「ね。笑」





海を眺めながらかき氷なんて

あー、贅沢だ。



ここはさっきまでの場所と違って人も多いし

ほんとに夏の海って感じ。






隆二「ね、一口ちょうだい。」


A「あ、いいですよ。」





カップ渡そうとすると

違う、って





A「え？」


隆二「…臣いないよ、いいじゃん。」






サングラスの向こうに

細くなったその目がうっすらと見えた。




…あーんして、ってこと？








A「…ダメですよ。」


隆二「ダメ？」


A「だって…」


隆二「…Aちゃん、そんなカッコで彼氏じゃない男と2人は…そっちのほうがダメだよ。」







笑ってるけど

色気が溢れてて、


ああ、今市さんってこれだからモテるんだ、なんて

こんなときに冷静に考えてる。






隆二「……なんてね、ごめんごめん。スイッチ入りそうだった。笑」


A「…今の、スイッチ入ってなかったんですか？」


隆二「…なに？入れて欲しい？」






サングラス、ゆっくり外しながらそんなこと言うから


さすがにドキドキする。

危険だ、今市さん。






A「…ダメです。」


隆二「あはは、からかい甲斐がある女のコってほんと楽しい。」


A「べつにからかい甲斐なんて…」


隆二「顔、真っ赤だよ？臣にチクっちゃおっかな。笑」


A「…いじわる。」







けどたぶん、この状況を説明したら

怒られるのは今市さんだ。







隆二「…俺までAちゃん狙ったら、もうパンクしちゃうでしょ？」


A「え？」


隆二「ただでさえ臣とのことで頭いっぱいなのに、これからたぶん、アイツも追い上げてくるだろうし。」


A「…アイツ？」


隆二「俺はこのまま丸く収まるなんて思ってないよ。…覚悟しときな？Aちゃん。」






…なんのことだか、本当に分からないけど






隆二「…にしてもAちゃんがこんなに胸あるなんて、みんな知らなかったよな〜。」


A「…今市さん、なんの話ですか…」


隆二「Aちゃんが思ってたより色っぽかったって話。笑」


A「…またからかってる。」


隆二「からかってないよ。笑」





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