三色スミレ5【臣×玲】

俺の幸せ ページ42

広臣side





とりあえず海入って涼もう


オニちゃんのその声で、みんな立ち上がって。





美琴「砂あつい〜」


鬼城「あと5メートルで海だから頑張れ。」





そんな2人を先頭にして

俺らは一番後ろからついてく。





A「臣くん、」





不安そうな声で、こっそり俺を呼ぶA


…言って欲しいんでしょ







広臣「…可愛すぎて、他の男に見せんのすげー嫌なんだけど。」







本音言うと、嬉しそうに笑った






A「わたしも、臣くん他のひとに見せたくないよ。」


広臣「…ちょ、今あんま可愛いこと言わないで。我慢すんのキツイから。」


A「…ほんとのことだもん。」





後ろで一つに三つ編みされた髪

それを留めてる赤いリボン



少し伸びてきた前髪とか、そこから見えてる眉とか



俺を見つめる、キラキラした瞳とか





…ああほんとに、誰にもあげたくないな。






広臣「…つーかさ、もうちょっと上げれねーの？その水着。」


A「え？」


広臣「…谷間見えてんだけど。」


A「…だってそういう水着だし…」


広臣「買う前に確認くらいさせろよ。」


A「じゃあ来年は臣くんが選んでね。」





そう言って、海に駆け出してった。



…俺が言いたくても言えなかった

来年ってワード



あんなに簡単に…






A「臣くん！きて！」






冷たくてきもちいよ、って

俺のこと呼んでる。





…うん、来年は 俺が選んでやるよ。



水着だけじゃなくて

デートで着る服とか

冬のマフラーとか


少しずつ、思い出が増えていけばいい。







A、きゃーきゃー言いながら結構深いとこまでいってる。



普通こういうのって、浅瀬で水かけあったりするもんじゃねーの？笑







A「ね、冷たいでしょ。」


広臣「すげー冷たいわ。」


隆二「Aちゃん！あんま深いとこ行ったらサメいるよ！」


A「っえ、」





A、隆二の言葉にビビって

俺の方くっついてきた。




A「サメ？サメって、ほんとのサメ？」


広臣「ほんとのサメってなんだよ。笑」


A「なんだっけ、ほら、映画の…」


広臣「…ジョーズ？」


A「それ！…ジョーズに出くわしたら…死んじゃうね…」


広臣「……隆二、お前がデタラメ言うからコイツまじでビビってんじゃん。笑」


隆二「えー？デタラメじゃないよ？」






誰にも見えない海の中で

こっそり手を繋ぐ。





これが、俺の幸せ。





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