三色スミレ5【臣×玲】

そのままでいい ページ29

Aside






玲於「つかれた〜。もう夜じゃん。」


A「だからついてこなくてよかったのに。」


玲於「…いいじゃん。」






アパートまでの帰り道


水着が入ったショッパーを片手に佐野くんの隣を歩く。






A「…見てないよね、」


玲於「見てない。」


A「ほんと？」


玲於「見ないって約束したじゃん。」


A「たぶんって言ってたし。」


玲於「そうだっけ？」





忘れた、なんて

都合いいこと。





A「…臣くん、可愛いって思ってくれるかな。」


玲於「…思ってくれんじゃない？」


A「けど曽田さんと一緒にいるから、見劣りしちゃうかも。」


玲於「…曽田さんとAはちげえよ。」


A「ちがう？」


玲於「……俺は、Aのほうが好き。」







わたしが被ってたキャップ、取って

今度は自分で被ってる。



そのときにちょっとずれたピン、

両手で器用に直してくれて。







A「…そう？」


玲於「…うん、まあ、友だちにしてはなかなか自慢。」


A「そんなの初めて聞いた。」


玲於「なんか今日おかしい、俺。…お前のブラ紐見たからかな。」


A「あ、待って、見たの？さっき見てないって言ったくせに。」


玲於「一瞬じゃん。」





はあ、最悪だ

最悪っていうか、恥ずかしい。





玲於「だから、お前はそのままでいいってこと。無理によく見せようとすんなよ。」


A「…ありがとう。」


玲於「…臣さんも多分、今のお前が好きだと思うし。」






メシ食って帰ろうって、

いつものファミレスに向かってる。





佐野くんが臣くんとのこと応援してくれるなんて

ほんとに嬉しいな。




てっきり反対されるかと思ってたから。







A「…ほんとに、ありがとう。佐野くん。」


玲於「…じゃあデザート奢って。」


A「それとこれとは別。」


玲於「つまんねー。」





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