三色スミレ5【臣×玲】

土曜日 ページ26

Aside






そしてやってきた、次の土曜日



サマイベはあさってからだし

実はギリギリだったりするけど。






今日は朝からカンカンに日が照ってて

いまお花に水あげてもお湯になっちゃって大変だから

かわいそうだけど、夕方まで待っててもらおう。





短い髪を頑張って三つ編みして

ちょっとずつ伸びてきた前髪はピンで留めて


…暑さ対策、バッチリ。



暑い日はコレって決めてるの

髪が首にひっついちゃうのが嫌で。





ていうか水着って、試着どうするんだっけ？

下着の上からだっけ？




曽田さんに見られてもいいように

可愛いのに着替えてこう。




Tシャツワンピにリュック背負って

よし、完璧！







A「いってきまーす。」







玄関のドア開けながら言うと







玲於「どこに？」







うわっ

出たな。




コンビニの袋片手に棒アイス食べながら

自分家の玄関の前に立ってる佐野くん。






A「曽田さんと約束が…って、なにしてるの？」


玲於「コンビニ行ってアイス買って、いま帰ってきたとこ。」


A「ふうん。…美味しそう、一口ちょうだい。」


玲於「……じゃあ残りあげる。」






はい、って手渡される


まだ半分も食べてないのに。






A「いいよ、こんなに。」


玲於「もう飽きた。…で？曽田さんと何しに行くの？」


A「水着買いに行くの。サマイベの。」


玲於「…水着…」






うーん、って

何か考え出して







玲於「…ん。俺もついてく。」


A「…いや、だって水着…」


玲於「臣さんに可愛いって思われたいんでしょ。男の意見も必要じゃん。」






なんていうか、もう強制だ。コレ。






A「やだやだ、試着のとき下着見えちゃう。」


玲於「お前の下着なんて1ミリも興味ねえし。」


A「わたしがやなの。」


玲於「じゃあ試着は見ない。」


A「約束だよ。」


玲於「たぶんね。」


A「たぶんって…」


玲於「A、今日いつにも増して田舎の子。」


A「…なにそれ、髪型？」


玲於「うん。…なんだろ、キャップくらい被ったら？」


A「持ってないもん。」


玲於「俺の貸してやる。」







言いながら家入って

貰ったアイス舐めながら待ってたら、すぐ出てきた佐野くん


わたしに白のキャップ被せて

これでいいって呟いた。







玲於「よし、行こ。」








ああ、やだな。


どうせデブって怒られるんだ。



．

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