三色スミレ5【臣×玲】

いつもの朝 ページ24

Aside






玲於「おはよ。」


A「…おはよう。」






嬉しい


いつもの朝だ






A「ねえ、佐野くん、あのね、」


玲於「あーもううるせえな朝から。」


A「ね、怒んないで聞いて。」


玲於「…なんだよ。」


A「…前髪、跳ねてるよ？」


玲於「……A、怒んないで聞いて。」


A「え、なに？」


玲於「…顔、すげーブサイクだよ？」


A「……佐野くん、ほんと嫌い。」


玲於「気が合うじゃん、俺も俺も。」






バス停までの道を、そんなこと話しながら並んで歩く。


昨日まで長く感じてたこの道は

ふたりだと、一瞬で着いちゃうね。






A「佐野くん、」


玲於「今度はなに。」


A「昨日電話で、臣くんとなに話したの？」






時間通りに到着したバスに乗り込んで

後ろから2番目の席に、ふたりで座る。






玲於「…んー、なんだったっけ。」


A「なんで忘れちゃうの？」


玲於「…Aってぶりっ子っすよね〜って話したかな。」


A「…なにそれ、え？わたしぶりっ子？」


玲於「ぶりっ子じゃん。だもん、とか、もお、とか。」


A「べつにぶりっ子してるわけじゃないもん。」


玲於「ホラ出た。」


A「…もお。」


玲於「やべえ、オンパレード。笑」


A「だから違うってば。」


玲於「ハイハイ。口癖ね、口癖。」






笑いながら窓の外を眺めてる佐野くん


…ああ、嬉しいな。

またいつもの毎日が戻ってきた。





バスを降りて、五分足らずの道を歩く。


一階のエレベーターホールに着くと、そこに







A「あ、」


広臣「…おはよ。」







臣くんと、今市さんの姿。




わたしと佐野くん見比べて、今市さん なんだか嬉しそうな顔してる。






隆二「Aちゃーん！なになに、朝から可愛いね！笑」


A「わ、」






わたしの髪の毛ぐしゃぐしゃにして

あははって笑ってるし






A「もお、せっかく綺麗に巻いてきたのに…」


玲於「……もお。」


A「…うるさい。」






4人でエレベーターに乗り込んで

臣くんが7階を押す。



佐野くん、そんな臣くんと目合わせて

なにやらアイコンタクトとってるし。




…ほんとに昨日、なに話したんだろ。







隆二「来週からサマイベかあ〜」


A「あ、そうだ。忘れてた！」


隆二「玲於も同じグループだったらよかったね。」


玲於「…それはちょっと思います。」





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