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心強い ページ5

Aside








玲於「A〜…」



A「……ん?」



玲於「…なあ、テンション低くね?」








14時




入社式を終えて、家の近くのファミレスで

遅めのお昼ご飯を食べてる。






佐野くんはもう食べ終わってるのに

頼んだパスタ、一口も喉を通らない。







玲於「そんなに営業部嫌?」


A「…違うよ。」


玲於「じゃあもうなに?めんどくせえなあ。」


A「……ほっといて。」








どうしよう。


明日から、毎日会うことになるんだ。







……わたしの告白、覚えてるかな。


そもそも本気にしてないかな。





…わかんないや。









玲於「あのさ、いつ引っ越す?」


A「…引っ越す?」


玲於「え、引っ越さないわけ?俺らもう社会人なのに。」







わたしも佐野くんも、大学生の4年間 ずっと一人暮らしだった。



学校が一等地にあったから、その近くのアパートなんてとてもじゃないけど借りられなくて


距離で言うと少し離れてたけど、駅のそばにあるアパートを借りてた。



同じ考えの人がたくさんいて、そのアパート自体が寮みたいに 住んでる人は同じ大学の人がほとんど。








佐野くんも、その中のひとり。


お隣さんなの。

まあ、だから仲良くなったんだけど。









A「…うーん、まだわたし、あの部屋でいいかも。」


玲於「……じゃあ俺も。」


A「佐野くん引っ越せばいいじゃん。」


玲於「は?ほっとけ。」







すぐ怒る。

悪い癖。









A「……佐野くん、食べない?パスタ。」


玲於「一口も食ってねえじゃん。」


A「食欲ないの。」


玲於「…ふうん。」







自分の方にお皿引き寄せて、フォークくるくるしてる。








A「…おいしい?」


玲於「めっちゃうまい。」


A「そっか、よかった。」


玲於「………ん。」


A「え?」


玲於「ほら、早く。落ちる。」







フォークに巻きつけたパスタ

わたしの口元に差し出してきて。







A「いらない、」


玲於「バカ、食えよ。食わなきゃ元気なんねえだろ。」







ほら、って 無理やり口に入れてくる。


強引だけど これが佐野くんの優しさ。









A「……おいしい。」


玲於「残り食う?」


A「…欲しくなったら貰う。」


玲於「はーい。」









佐野くんがいてくれてよかったな。


心強い。







ありがとうって、心の中で呟いた。




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(プロフ) - き な こ さ あ ん ん ん ん (2016年8月5日 22時) (レス) id: ed10022dbc (このIDを非表示/違反報告)
みかん(プロフ) - 読んでいてすごくドキドキします!更新頑張ってください! (2016年7月10日 17時) (レス) id: 08cd49b690 (このIDを非表示/違反報告)
きなこ(プロフ) - とまとさん» コメントありがとうございます!嬉しいですm(_ _)m二話もよろしくお願いします! (2016年6月27日 21時) (レス) id: bb6ef10f0c (このIDを非表示/違反報告)
きなこ(プロフ) - 有紀さん» 一気に!ありがとうございます!お待たせして申し訳ないです、やっと公開できました。二話もよろしくお願いしますm(_ _)m (2016年6月27日 21時) (レス) id: bb6ef10f0c (このIDを非表示/違反報告)
きなこ(プロフ) - ふらふーぷ。さん» 塩な彼氏から読んでくださってるんですね!嬉しいです(^o^)今作も最後までよろしくお願いします! (2016年6月27日 21時) (レス) id: bb6ef10f0c (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:きなこ | 作成日時:2016年6月11日 20時

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