三色スミレ【臣×玲】

呼んでみ？ ページ40

Aside







玲於「なあ、妬いてんだろ。俺が玲於くんって呼ばれてるから。」


A「やめてよ、妬いてないし。」








外で適当にランチして、会社に戻る帰り道。






なんか、むかつく。



最近ちょっと情緒不安定かも。








玲於「お前だって上司からAちゃんって呼ばれてんじゃねーかよ。」


A「それとこれとは話が別じゃん。」


玲於「別じゃねーよ。俺がいっつもどんな気持ちで、」







言いかけて、なんでもないって誤魔化してる。








A「…なに、言ってよ。」


玲於「なんでもねえよ。」


A「気になるじゃん。」


玲於「……お前がAちゃんとか呼ばれてんの見るとイラつくって話。」








会社に着いて、一階のエレベーターのボタン

グーで殴ってる佐野くん。




イラつく？

今イラついてるの、わたしなはずなんだけど。








A「…だって、曽田さん同期なのに。」


玲於「…うん。」


A「……わたしのほうが、ずっと佐野くんのこと知ってるのに。」


玲於「…うん。」


A「…なのに、玲於くんって。」


玲於「……あのさ、そういうのを妬いてるって言うんだよ。バカAちゃん。」


A「バカって。」







佐野くん、満足そうな顔してる。


なんかそれにもイラつくし。

イラついてる自分にもイラつくし。




はあ、やな感じ。


うまくいかないな。








玲於「…Aも呼んでみ？玲於って。」


A「……やだ。」


玲於「呼べよ。」


A「佐野くんは、ずっと佐野くん。」


玲於「……お前くらいだわ、4年も一緒にいてくん付けなんかしてくんの。」


A「特別でしょ、大事にしてね。」


玲於「…わけわかんねえー。」









言いながら、ニヤニヤしてる。


気持ちわる、なんて言ったら怒られそうだから我慢。









ふう。

午後も頑張らなきゃ。








仕事ももちろんだけど





臣くんを、できるだけ視界に入れないようにとか


近寄らないようにとか







好きにならないように、とか。





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