検索窓
今日:33 hit、昨日:12 hit、合計:1,469,938 hit

イチゴミルク ページ17

Aside







お疲れ様でした、とお開きになった会議室を


この2時間で頭に詰め込んだことを必死に反芻しながら、ひとり後にする。







クライアント

新規契約

オニちゃん

来週からテレアポ

医療機器

曽田さん

送付状

サマイベ








A「…サマイベ…」









休憩室にあるベンチに、すとんと腰を下ろす。









い、行きたくないよ…



臣くんとお泊りなんて 考えただけで心臓飛び出ちゃいそうなのに。









A「ああああ…どうしよ…」









広臣「なにがどうしよ?」









っえ。








聞き慣れたその声に、慌てて顔を上げる。









広臣「ぶつぶつ独り言言いながら会議室出てったから。気になってつけてきた。笑」









大丈夫?って

自販機に小銭入れながら聞いてくる。





休憩室、誰もいないの。

ふたりきり。








A「だ、大丈夫…」


広臣「ほんとかよ。笑」








臣くんが買ったの、紙パックのイチゴミルク。






わたし、それ 小さい時からずっと好きなの。

甘くて 柔らかいから。





臣くんも好きなのかな

なんて考えてたら









広臣「ん。」









って

わたしの前にそれ差し出してくる。








A「え、」


広臣「え?」








びっくりして目線上げたら、

笑ってる臣くんと目が合って









広臣「あーそっか…これ好きっつっても、もう10年前とかだよな。今何が好きなの?分かんねえや。」









どうしよう。

どうしよう。




うれしすぎる。









A「…イチゴミルク、大好き。」


広臣「まじ?じゃああげる。」


A「ありがと…」









そっと受け取ったけど

こんなのもったいなくて飲めるわけないよ。









広臣「チビの頃からイチゴミルクばっか飲んでたもんな。」








言いながら、隣に座って。





ドキドキする。


横見たらすぐ、臣くんがいるから。









A「…一度好きになったら、なかなか嫌いになれなくて。」


広臣「…ふうん。いいね、その性格。」


A「いいのかな…分かんない。」









ひとつのものがずっと好きで





似ているものでもダメ


真逆のものでもダメ






それじゃないと、ダメ。









A「…臣くん、あのね、…ずっと会いたかったよ。」









臣くんじゃなきゃ、ダメ。





忘れたくない→←目線



目次へ作品を作る感想を書く
他の作品を探す

おもしろ度を投票
( ← 頑張って!面白い!→ )

点数: 10.0/10 (745 票)

この小説をお気に入り追加 (しおり) 登録すれば後で更新された順に見れます
2165人がお気に入り
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告

感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)

ニックネーム: 感想:  ログイン

(プロフ) - き な こ さ あ ん ん ん ん (2016年8月5日 22時) (レス) id: ed10022dbc (このIDを非表示/違反報告)
みかん(プロフ) - 読んでいてすごくドキドキします!更新頑張ってください! (2016年7月10日 17時) (レス) id: 08cd49b690 (このIDを非表示/違反報告)
きなこ(プロフ) - とまとさん» コメントありがとうございます!嬉しいですm(_ _)m二話もよろしくお願いします! (2016年6月27日 21時) (レス) id: bb6ef10f0c (このIDを非表示/違反報告)
きなこ(プロフ) - 有紀さん» 一気に!ありがとうございます!お待たせして申し訳ないです、やっと公開できました。二話もよろしくお願いしますm(_ _)m (2016年6月27日 21時) (レス) id: bb6ef10f0c (このIDを非表示/違反報告)
きなこ(プロフ) - ふらふーぷ。さん» 塩な彼氏から読んでくださってるんですね!嬉しいです(^o^)今作も最後までよろしくお願いします! (2016年6月27日 21時) (レス) id: bb6ef10f0c (このIDを非表示/違反報告)

作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ

作者名:きなこ | 作成日時:2016年6月11日 20時

パスワード: (注) 他の人が作った物への荒らし行為は犯罪です。
発覚した場合、即刻通報します。