三色スミレ【臣×玲】

どうしよう ページ11

Aside









おはようございますって出勤してから

かれこれ2時間が経った頃。








A「……グループ？」


隆二「うん。年度ごとに変わるんだけど、営業部って10人ずつくらいのグループ組むんだよね。」


A「そのグループで、お仕事するんですか？」


隆二「そうそう。グループ構成されてからは、あっちの会議室で仕事することが増えるかな。」







クライアント先に直接顔を出す営業部だからこそ、チームワークが大切 ってことなのかな。







隆二「で、そのグループ分けがあと10分ちょっとで発表になんの。」


A「それ、どうやって決まるんですか？」


隆二「んー、まあだいたいのバランスとか見られるだろうけど…俺とAちゃんは一緒だと思うから。安心してね。」








あ、今市さんがいてくれるなら安心。

ひとりじゃさすがに心細いから。







隆二「あと、たぶん今週末くらいに新入社員の歓迎会あると思う。」


A「今週末、ですね。」


隆二「うん。で、毎年その二次会がてらグループごとに飲みなおすことになってて。覚えといて？」


A「はい。」







年度ごとに変わるって言ってたから、1年間一緒なんだ。



だったら佐野くんと一緒がいいな。

さすがにそこまで運良くないかな。









暫くそんなことを考えていたら、パソコンに一通のメールが届く。







隆二「あ、それ開いて。グループ構成のファイルだと思う。」







言われた通りファイルを開くと、

本年度営業部グループ編成 って見出しが出てきた。






隣のデスクで今市さんも同じファイルを見てて







隆二「えーと…あ、あったあった。Fグループだね俺ら。」


A「Fグループ？」


隆二「うん。…あ、臣もいる。」









その言葉を聞いて、マウスを動かす手が止まった。









臣くんも、いるの？









隆二「確認できた？」


A「…えっと…」


隆二「ん？」







もっと下だよって

わたしのマウス動かす今市さん









F

そう書かれた枠組みの中






登坂広臣、と

確かにそう書かれてあった。








隆二「あー、仲良しの男の子いないね…」








そう言われて気付く。

佐野くんと離れちゃった。








けど

佐野くんと離れたことより、臣くんが一緒なことのほうが不安だなんて。









…ああ、これからどうしよう。





．

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