検索窓
今日:6 hit、昨日:36 hit、合計:1,469,947 hit

目線の先に ページ2

Aside









『では次に、本社の経営理念を…』









ああ、もう。


経営理念なんて、就活のときに嫌になるくらい読み漁ったんだから。





ちらって隣の佐野くんを見てみると、マジメぶって真剣な顔して聞いてる。



つまんないな。









広いホールに集められたわたしたち。



大まかに座席指定されてて、そんな中佐野くんとは同じブロックに座るように言われた。

もしかしたらほんとに部署も一緒かも。









1時間の長いオリエンテーションが終わり


案内に従ってホールから出る。







玲於「お前集中して聞いとけよ。」


A「だって経営理念なんて知ってるし。」


玲於「…バカ。」








小声でそんなこと話しながら、前の人について歩いて。





乗り込んだ大きなエレベーターの中で

案内係のお姉さんが口を開いた。









「みなさんは、営業部配属となりました。これから部署の方に行って、大まかな仕事内容と…」







え、営業部?


嘘でしょ。







営業部って元気な子が配属されるとこだと思ってた。



わたし声小さいってよく言われるし。

インドア派だし。







隣見たら


や、ば、

って 佐野くんが口パクしてきた。







会社にもよるけど、ここの営業部ってエリートコースだって聞いたことある。





…嬉しいけど、今は不安の方が大きいかも。









エレベーターが停まったのは、7階。




開いた扉の向こうには廊下が伸びていて

両サイドに、磨りガラスで仕切られた会議室が数部屋。







その一番奥にある、仕切りのないフロア。




入ると 営業部の人たちが たぶんほとんど揃ってて







玲於「え、ここで自己紹介?無理無理、死ぬ。」


A「わたしのほうが無理だって…」







下向きながら、バレないようにそんな会話をする。








どんどん迫ってくる自分の順番

うわあ、どうしよ。



こんな大勢の人の前で…緊張する。









玲於「佐野玲於です、」








死ぬ、とか言ってたくせに 落ち着いた声。


結局佐野くんってなんでも上手にできちゃうんだよね。









なんて、羨ましく思いながら

目線を上げた。









その、先に



















A「………え…?」









玲於「精一杯働かせていただきます。よろしくお願いします。」



















少し口角を上げながら拍手をしている


その人









…忘れかけていた気持ちが、また。




分かってるよ→←春



目次へ作品を作る感想を書く
他の作品を探す

おもしろ度を投票
( ← 頑張って!面白い!→ )

点数: 10.0/10 (745 票)

この小説をお気に入り追加 (しおり) 登録すれば後で更新された順に見れます
2165人がお気に入り
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告

感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)

ニックネーム: 感想:  ログイン

(プロフ) - き な こ さ あ ん ん ん ん (2016年8月5日 22時) (レス) id: ed10022dbc (このIDを非表示/違反報告)
みかん(プロフ) - 読んでいてすごくドキドキします!更新頑張ってください! (2016年7月10日 17時) (レス) id: 08cd49b690 (このIDを非表示/違反報告)
きなこ(プロフ) - とまとさん» コメントありがとうございます!嬉しいですm(_ _)m二話もよろしくお願いします! (2016年6月27日 21時) (レス) id: bb6ef10f0c (このIDを非表示/違反報告)
きなこ(プロフ) - 有紀さん» 一気に!ありがとうございます!お待たせして申し訳ないです、やっと公開できました。二話もよろしくお願いしますm(_ _)m (2016年6月27日 21時) (レス) id: bb6ef10f0c (このIDを非表示/違反報告)
きなこ(プロフ) - ふらふーぷ。さん» 塩な彼氏から読んでくださってるんですね!嬉しいです(^o^)今作も最後までよろしくお願いします! (2016年6月27日 21時) (レス) id: bb6ef10f0c (このIDを非表示/違反報告)

作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ

作者名:きなこ | 作成日時:2016年6月11日 20時

パスワード: (注) 他の人が作った物への荒らし行為は犯罪です。
発覚した場合、即刻通報します。