魅惑のマーマレード2【登坂広臣】

誰のために？ ページ41

Aside







A「すごい！美味しい！」


ミカ「自分で作ると愛着も湧くしね。」


A「ほんとそうですね、うわー…嬉しいな。」







ミカさんが教えてくれた筑前煮。

それから、出し巻き卵にほうれん草の胡麻和え。







ミカ「今日は時間的に端折ったけど、コレにお味噌汁つけたら最高。」


A「お味噌汁…」


ミカ「それから、筑前煮は好みで味付け変えていいから。具ももっと色んな野菜入れていいし…アレンジしてね。」


A「はーい。」







いっぱいメモったし、頑張って練習して

作れるようになろう！








A「うわあ、筑前煮作ったら臣さん喜んで……あ、間違えた。」


ミカ「…間違えた？笑」


A「…岩田くん、喜んでくれるかなあ。」


ミカ「Aちゃん、ちょっと無理あるよ。笑」







ミカさん、ニヤニヤしてなんだか嬉しそうだし。


もう、ほんとにダメなのに。







ミカ「誰に食べてほしくて頑張ってたの？」


A「……王子様です。」


ミカ「うわあ出た。」


A「ほんとですもん。」


ミカ「はいはい。」






はいはい、って…


ミカさんは幸せでいいな、結婚しちゃうんだもん。







A「わたしも幸せになりたい…」


ミカ「何言ってんの。Aちゃんなんて幸せになろうと思えば1年前からなれたのに。」


A「……臣さんのことですか？」







聞くと、うんって頷いて。






A「だから、臣さんはダメなんですって…」


ミカ「あのさー、向こうがずっと自分のこと好きでいてくれてるから今更好きになるなんて失礼だとか、そんなのおかしな話だよ？」


A「けど…わたし散々ひどいこと言って傷つけたし…」


ミカ「それでも向こうはAちゃんが好きなんだよ。わかってあげなよ。Aちゃんだってさ、岩田くんに彼女がいるって知って諦めついた？」


A「いや…」


ミカ「それと一緒。惚れた弱みってやつなの。だからビビってないでさ、自分の気持ちに正直になりなさい。」








自分の気持ちに正直に、って言われても…





ずっと、岩田くんが好きなんだよ。


想い続けてればいつかは叶うから、

ただただ片思いを続けて…






分かんないよ。





臣さんへの気持ちに無理にストップをかけて


このままでいいのかも、もう分からなくなってきた。





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