魅惑のマーマレード2【登坂広臣】

胃袋を掴む ページ40

Aside







ミカ「え？タクシー？」


A「あ…えーと、タクシーで。」






ミカさんがうちに遊びに来ることになった。




のはいいんだけど、


事務所を出た通りでタクシーを拾うと、

ハテナ顔になってる。予想はしてたけど。







なんで？って言ってるミカさんをとりあえず車内に押し込んで、わたしも後に続いた。






住所を告げると、走り出す車。

あー、ほんとに毎日タクシー使ってて
もうお金が…








ミカ「なに？急にリッチウーマン目指し始めたとか？」


A「そ、そうです！楽ですよ〜タクシーって！」


ミカ「……ほんとはどういう理由？」







……どうしよう。


つけられてるんですなんて言ったら一瞬で警察連れて行かれそうだし




絶対心配かけたくない。

ほんとに、たいしたことないのに。




ミカさんにも、臣さんにも言えない。







A「……あの、ご飯食べながら話します。」


ミカ「絶対ね。」







うう、お願い。

ご飯までには忘れてて。








初めてわたしの家に来るミカさん。


意外と綺麗だねって褒めてくれた。






A「ミカさんがご飯作ってくれるんですか？」


ミカ「何言ってんの。お客さん招待しといてそれは無しでしょ。」


A「……わたしが料理下手なの知ってるくせに。」






ミカさん、すっごく料理得意で

お弁当とかたまに作ってきてるし。


どこまで完璧なんだろう。







ミカ「あっ、じゃあ教えてあげようか？」


A「え、ほんとに！？」


ミカ「うん。なにか一品でも得意料理あったらさ、ほら、登坂くんに作ってあげられるでしょ？」


A「……岩田くんにしてください。」


ミカ「まあそれは後々ね。ほら、作ろう。」






冷蔵庫開けるよって、手を洗いながら言ってる。






ミカ「女の子はね、和食で胃袋を掴むべきだと思うの。」


A「和食？」


ミカ「うん。余った野菜で上手くおふくろの味を再現する。これでわたしも旦那の胃袋掴んだよ。」


A「すごい！経験済み！」


ミカ「付け合せも気抜かないでね。よし、作ろう！」






岩田くんに作ってあげたい、なんて考えながらも


頭に浮かぶのは やっぱり臣さんで。







あー、どうしちゃったかな。わたし。





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