魅惑のマーマレード2【登坂広臣】

好きな時間 ページ28

広臣side







A「ここで歌ってるんだね。」


広臣「うん。…歌ってみる？」


A「え？無理だよ。音痴だもん。」


広臣「知ってるけど。」






こいつ、ほんとに音痴で。笑


一緒にカラオケ行った時、絶対歌いたくないって頑なにマイク握んの嫌がってたけど

俺が無理やり曲入れて歌わせたらほんとに音痴だったからもう爆笑。笑





笑わないでよって怒ってたけど

音程ズレてるし息継ぎもキツそうだし。


なんかほんと、どこまで可愛いの？って感じ。








広臣「俺Aの歌聞いたら元気なるかも。」


A「絶対やだよ。笑うだけじゃん。」


広臣「だっておもしれえんだもん。笑」


A「いじわる。」


広臣「可愛いって言ってんじゃん。笑」









やだやだ歌わない、ってソファーに座りながら言ってる。







広臣「分かったからそんなぶすくれんなって。笑」


A「ぶすくれたつもりなかったけど…」







Aの隣に座って、さっきみたいに天井を見上げてみる。



Aも俺と同じことしてて


天井高いね、なんて呟いてる。








A「……隆二さん、何のために閉じ込めたんだろうね。」


広臣「あー…まあいいじゃん。会うの久々だし喋ってよ。」


A「いいけど。お腹減っちゃった。」


広臣「ムードねえなまじで。笑」







えー？ってとぼけた声出しちゃって。


俺のこと男として見てんのか不安だわ。







A「ねえ、わたし美容室行ったんだよ。分かる？」


広臣「分かるよ。」


A「あれ、分かるの？」


広臣「分かる。もうさ、それ以上可愛くなんないでよ。困るんだけど。」


A「べつに可愛くなってないよ。」


広臣「なってる。すげー可愛い。」







褒めすぎだよ…って赤くなってるけど


まじなんだって。

まじでそれ以上可愛くなられたら困るし。







広臣「……髪、遊ばせて。」


A「いいよ、けど短くなっちゃったから結べるか分かんない。」


広臣「たぶんいける。」







美容師してた頃の癖でさ

たまにこうやってAの髪で遊んでんの。色んなアレンジして。





Aのお喋り聞きながら髪で遊んでる時間、

結構好きだったりする。




アクセは外さないと痛いって怒られるけど。笑





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