お呼び出し ページ25
Aside
「Aちゃん、呼ばれてるよ。」
そう声をかけられたのは、
なんてことなく日常が過ぎていた、ある日の夜。
仕事も片付いて、そろそろ帰ろうと荷物をまとめていた時のことだった。
A「…誰ですか?」
「今市くん。」
A「…え?」
「三代目の今市くん。早く行きなよ。」
ここで働いてる人の中には、わたしとアーティストさんが仲がいいことをあんまりよく思ってない方もいて。
この人もきっと、嫌なんだと思う。
A「……ありがとうございます。」
……そんなに冷たくしなくてもいいのに。
ミカ「…気にしないの。嫉妬してるだけだよ。」
A「……嫉妬って…」
ミカ「落ち込まなくていいって。ほら、今市くんに呼ばれてるんでしょ?行ってきなさい。」
A「…じゃあ…お先に失礼します。」
ミカ「ん。おつかれ。」
ミカさんが隣のデスクでほんとによかった。
ミカさんより優しい人なんていないもん。
立ち上がると、フロアの奥に隆二さんの姿が見えた。
小走りで近づくと、わたしに気づいてニコッと笑って。
隆二「久しぶり。」
A「お久しぶりです、…どうしたんですか?」
隆二「んー、ちょっとね。もう仕事終わった?」
A「はい。」
隆二「ん。じゃあついてきて。」
ついてきて、って…
問答無用でエレベーターに押し込まれる。
押されたボタンは、6階
A「何しに行くんですか?」
隆二「んー、まあ…誘拐?笑」
A「またですか…」
隆二「あはは、笑」
ちらっと隣の隆二さんを見ると、何かをぎゅっと握りしめてて。
A「……それ、何持ってるんですか?」
隆二「ん?なにも?」
なにも?って…簡単にバレる嘘だな。
まあいいけど。
不思議に思いながらも、到着したエレベーターから降りて 隆二さんについて歩いていく。
隆二「入って。」
言われた先にあったのは、関係者以外立ち入り禁止な、レコーディングルーム。
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mii777(プロフ) - ホントに、きなこさんのお話好きです。私まで一喜一憂してしまいます。 (2019年7月10日 21時) (レス) id: 0b5a07c44f (このIDを非表示/違反報告)
香月瑠璃子(プロフ) - はじめまして、楽しく読んでます!ここにでてくる韓国ドラマって「相続者たち」ですか?違ったらごめんなさい、ほんとに面白くてすいすい読めて好きです、頑張ってください (2017年2月7日 23時) (レス) id: 934140ffb0 (このIDを非表示/違反報告)
ニコルラ(プロフ) - きなこさん初めまして。“魅惑のマーマレード”の臣さまが私の思い描く臣さまにぴったりハマって*\(^o^)/*きゅんきゅんが止まりません!!主人公ちゃんが大好きで大好きで健気で優しくて...。更新楽しみにしてます! (2016年4月5日 1時) (レス) id: 5500986665 (このIDを非表示/違反報告)
臣愛 - 海外旅行に行ってたんだー。いいなぁー羨ましいです!私は昨日卒業式でした!涙ボロっボロ! 更新頑張ってください!! (2016年3月19日 13時) (レス) id: 3922ac802e (このIDを非表示/違反報告)
R(プロフ) - きなこさんおかえりなさーい♪更新ありがとうございます、二人のほんわかした空気に癒されました(*^^*)二人の思いが通じますように…これからも頑張ってください! (2016年3月18日 23時) (レス) id: 9504153d19 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:きなこ | 作成日時:2016年2月19日 23時