魅惑のマーマレード2【登坂広臣】

恋話 ページ16

Aside







A「で？で？プロポーズはどんな？」


ミカ「そんな大したものじゃないから！」


A「いいからいいからっ」


ミカ「…彼の家に行ったの。土曜日に。そしたらテーブルの上に婚姻届が置いてあって…」


A「ええええっ！うそ！」


ミカ「来週わたしの誕生日だから、その日に言おうとしてくれてたみたいなんだけど…わたしが先に見つけちゃったから、申し訳なかったかも。」


A「なに言ってるんですか！それもそれで素敵ですよっ」


ミカ「そう？」


A「はいっ」







あー、いいなあ。

結婚かあ…








A「……ミカさん、仕事は…」


ミカ「んー、まだ全然考えてないけど、辞めることはないと思う。どうせ家にいても暇だし。この仕事定時もちゃんとしてるから困らないし。」


A「よかったあ。友達いなくなっちゃうかと思いました。」


ミカ「わたしが辞めて困るのAちゃんくらいだよ。ありがと。」


A「そんなことないですよっ」







ミカさん仕事できるし。

ほんとに憧れなの。







ミカ「よし、わたしの話は終わり！次Aちゃんね。」


A「いやいや…そんな素敵な話の後に何も言うことないですよ。」


ミカ「あるでしょー？今をときめく三代目の2人の間で揺れ動いちゃってるんだから。」








2人の間で揺れ動く…って


臣さんと岩田くんのこと？








A「揺れ動いてなんかないです。わたし岩田くん一筋なので。」


ミカ「……ふうん？」







怪しい笑みを浮かべながら、頬杖ついて。

視線が痛い…







ミカ「岩田くん…そんなにいいの？わたしテレビの岩田くんしか知らないからさ。」


A「とっても素敵な人です。優しくって、ドキドキして…かっこいい。」


ミカ「まさに王子様？」


A「まさに王子様です。」







だってもう、オーラが違うもん。


1人だけ輝いて見えるの。








ミカ「じゃあ登坂くんは？」


A「臣さん？」


ミカ「登坂くんはどんなイメージ？」


A「……いじわるで、たまに毒舌で…けど、」


ミカ「…けど？」


A「…わがまま聞いてくれて、大事にしてくれて、安心できるし…一緒にいて楽しい。」








他にもたくさん。


臣さんにはいっぱい大好きなところがある。






けどその大好きは、恋とは違う。





岩田くんに対する好きとは、意味が違う。




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