魅惑のマーマレード【登坂広臣】

昼休憩 ページ7

Aside






目がさめて、燦々と照りつける朝日に目を細めながら洗面所へ向かう。





顔を洗って、よし、今日も頑張ろうって気合いを入れる。







朝ごはんは、いつもパンって決めてて。



たっぷりと 大好きなマーマレードを塗って食べるのが、毎日の日課。






甘さと苦さが一緒になったマーマレードは

わたしの大好物で



特に大好きな、透明の瓶で 蓋が青色のコレは

去年の誕生日に臣さんがオマケでプレゼントしてくれたもの。




それ以来このマーマレードが大好きになって、

もう他のものは食べれなくなっちゃった。







おいしいなあーって幸せな気分になる。









仕事場に着くと、いつもの風景が広がっていて





A「ミカさん、おはようございます！」


ミカ「あ、おはよう。」






またパソコンに向き合って、仕事を開始する。







集中力のキープには自信があるわたし。




だいたいいつも、気づけばお昼なんです。








A「ミカさん！お昼行きましょう！」


ミカ「うん、あ、わたし行きたいお店あるんだけどいい？近いから！」


A「もちろん！」







手提げの小さいカバンだけ持って、ミカさんと2人でフロアを出た。








連れて行ってくれたお店は、内装もオシャレだし、味も文句なしだし


絶対また来ることになるな、なんて考えてひとりでニヤニヤ。








A「ミカさん、あんないいお店どこで見つけるんですか？」






事務所に向かいながらそう問いかけると、

ヒールを鳴らしながら答えてくれるミカさん。






ミカ「ん？昨日の夜暇だったからさ、仕事場の近くでいいお店ないかなあって探してたの。他にもね、……あれ？」







言いながらポケットを探し出して、

ない、ってつぶやく。






A「え？」


ミカ「携帯、忘れてきた。あー最悪。Aちゃん先に戻ってて？」






わたしも一緒に行きますって、

言おうと思ったんだけど…





くるっと方向転換して、すごいスピードで戻っていくミカさん。



あと10分で昼休憩終わりだもんね。

ミカさんマジメだから、そういうの厳しいし。





仕方ないからひとりで帰ろう。









マフラー巻きなおして、会社に向かって歩き出した。

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