魅惑のマーマレード【登坂広臣】

考えるの ページ46

Aside







ミカ「ねえねえ。」


A「はい！」


ミカ「そろそろ教えてくれてもいいじゃん？笑」








昨日休んだ分の仕事までキチッとこなした。


なかなか調子がいい。






18時を回って、そろそろ帰ろうかなーなんて思い始めた時


ミカさんに二の腕を突つかれる。









A「教えるって…何を？」


ミカ「もう、もったいぶんないでよ。登坂くん！お泊まりしたんでしょ？」


A「あー…」








そっか、昨日の朝

ミカさんからの電話とったの臣さんなんだ。




なんか勘違いされてるな、コレ。








A「……昨日はわたし、お熱だったので。」


ミカ「もー、わたしには嘘つかなくってもいいから！なに？付き合うことになったの？」


A「なってないです！ただ、お泊まりしただけです。」








ちょっとどういうこと…って真剣な表情になるミカさん。


ああもう、だから言いたくなかったのに。









A「……今までも、よくお互いの家にお泊まり行ってて…だからべつに珍しいことじゃ、」


ミカ「Aちゃん、あのさ、……登坂広臣だよ？わかってる？」


A「わかってますって…」


ミカ「それに登坂くんはAちゃんのことが、」









言いかけて、ごめんって謝ってる。








A「……それも、わかってます。」


ミカ「…わかってるよね…」









ダメなのは重々承知してるんだけど



昨日はまあ、成り行きっていうか。

仕方ないっていうか。








ミカ「……登坂くんもキツいと思うよ？」


A「…本人からも言われます。」


ミカ「え、言われるの？」


A「……だから同じベッドでは寝ません。」


ミカ「そういうシステム…」








俺たぶん理性持たないから、別で寝よう





初めてお泊まりした時に言われた。








まあ、当然っちゃ当然のことかもしれないけど…



理性持たない、って


わたしそんなに魅力的じゃないんだけどなあ。





たぶん臣さんの目には何か特別なフィルターがかかってて


わたしのことを常に美化して見てるんだと思う。









ミカ「…あのね、Aちゃん。王子様ばっかり見てないで、もっと身近な人を大切にしなさい。…ちゃんと、考えるの。誰が一番大事か。」









いい？って言うミカさん。








…そんなこと言われても…





わたしはまだまだ子どもで、ミカさんがくれた言葉の意味を、なんにも理解できていなかった。


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