魅惑のマーマレード【登坂広臣】

次の土曜日 ページ44

Aside








A「ふう、疲れた。」


広臣「3人前ぐらい食べたからね。」


A「そんなことないってば。」








18時



だいぶ早めに晩ごはん食べ終わって、

マンションまで送ってもらった。








じゃあね、って言おうとしたそのとき


ポケットの中の携帯が震える。









広臣「……電話？」


A「ううん、ライン。」









チラッと画面を見ると、


岩田剛典 の文字が目に入る。









メッセージが来るの初めてで、ついドキッと胸が高鳴った。








広臣「……見ないの？」


A「あ、えっと…。」







この前のこともあるし…

さすがにここじゃちょっと、ね。









A「ううん、なんでもない。仕事の人！」


広臣「そ？」


A「うん、じゃあ…今日はありがとう。またね。」


広臣「ん。じゃあ気をつけて。」






バイバイって手を振って、エントランスに入った。







エレベーターに乗り込み、ポケットから携帯を取り出す。



岩田くんからのメッセージを開くと









[デートのこと忘れてない？笑]


[次の土曜日、午後から空いてます^^]









A「次の、土曜日…」








一気に現実味を帯びて、緊張する…





今日臣さんに服選んでもらってよかったかも。


ひとりだったら絶対決められなかったし。









A「…なんて返せばいいんだろ。…はい、じゃ寂しいかな…」









あんまり可愛らしいお返事の仕方知らないから。



わからない…









[わかりました。]









はい、よりはいいはず。








……デートって、一体何するんだろう。



手とか繋いだりするのかな。

あ、それは付き合ってからだよね。







高校生のときとか、大学生のときとか

付き合ってた人とどんなデートしてたっけ。





もう、忘れちゃったな。









A「……今日からパック始めよ。」









何はともあれ、憧れの王子様とデートだよ。




あと少し。


自分磨き頑張ろう。







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