魅惑のマーマレード【登坂広臣】

いつも ページ40

Aside









A「……つかれた…」








19時半




仕事を終えて家に着き

今からご飯作るのめんどくさい…って思う毎日の繰り返し。







コンビニ行っちゃおうかな…


…なんだかそれすらめんどくさいな








もう、こんなに気分沈んじゃってるの


臣さんのせいだよ。






ご飯、なんか買ってきて


って いつもだったら電話しちゃってたもん。









A「……おみさん…」









ごめんなさいって言っても


もう、お喋りできないかなあ








ソファーでクッション抱きしめて

また泣きそう…なんて、傷ついてるのは私じゃないのに。








．








こんなに臣さんに会いたいって思ったの、初めてかも。









……岩田くんにデートしようって言われたのに、


おかしいな。





嬉しいよりも、今は辛い気持ちの方が大きい。









……臣さん、会いたいなあ…









．









そう、思った時だった。








．









_____ピンポーン








．









……インターフォン








まさかね、って




心臓がドキドキしだして








クッション抱きしめたまま、ドアスコープを覗きに行くと…









扉の向こうに立ってるその姿を見たとたん、



涙溢れそうになって








．









A「臣さん、っ」



広臣「っわ、ちょ、なになに。笑」









急いでドア開けて

その体に抱きついた。








泣いてんの？って笑ってる臣さん。


背中トントンしてくれて。









A「…ごめんね臣さん、…ごめんね、」



広臣「……なんの話？ほら、メシ買ってきてやったから。一緒食べよ。」



A「…うん、うん、食べる。」









しゃくりあげながらリビングに行く。









A「怒って、ないの？」


広臣「……だから、なんのこと？仕事終わったら家行くってラインしたのに。見てないでしょ。」


A「見てないよ、うう。」


広臣「ぶりっ子泣きすんなって。笑」


A「ぶりっ子じゃない、」









はいはいって、頭撫でてくれて。








．









臣さんは、


会いたいって思った時に、そばに来てくれる。









寂しい時


隣を見たらいつも、臣さんがいる。









．









それがどれだけ幸せか、なんて





このときのわたしはまだ 気付けていなかった。






．

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