魅惑のマーマレード【登坂広臣】

隣 ページ23

Aside








広臣「なんで…」








そう呟いた臣さん。


目を丸くして、わたしの後ろを見てる。








突然扉が開く音がしたけど




もしかしてファンの方かな


とか


写真撮る人かな



とか、色々考えて振り向かないでいた。









だけど








．








剛典「おつかれっす！」









聞き慣れたこの声が耳に届き、反射的に振り向いてしまって。









剛典「あ、Aちゃんだ。」


A「岩田くん！」









名前を呼ぶと、にこってしてくれる。




はあ。ダメだあー


かっこよすぎ。








広臣「ちょ、なんでいんの？」


剛典「俺も隣で飲んでて。追加でワインでもって思って呼んだ時に本堂さんが教えてくれたんすよ。」








本堂さんって、このお店の店長さんだ。



メンバーのみなさん、すごく仲がいいから

いっつも あの部屋で誰が飲んでる

とか、すぐ教えてくれるんだって。









広臣「まじで。…あーもう、まじ？」


剛典「ツレとは別れてきたんで、…いい？一緒に飲んで。Aちゃん。」









サングラスを取りながら、そう問いかけてくる。





……やばい。心臓足りないかも。









A「は、い…あの、もちろん…」


剛典「ありがと。」








ふふって笑った後にそう呟いた岩田くんは、


当たり前のように、わたしの隣に座った。









剛典「これ誰っすか？隆二さん？笑」


広臣「そ。潰れた。」


剛典「そんな飲んだんすか、笑」


広臣「明日収録なのにやばくね？笑」









……メイク、崩れてないかな。


口紅取れてたらどうしよう。









岩田くんの存在だけで、たくさんのことが気になり始める。









A「……わたし、お手洗い行ってきます…」


広臣「…場所わかる？」


A「うん。ありがとう。」









居ても立っても居られず、


逃げるようにその場を離れた。

そんなの嘘だ→←溢れた4文字

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