魅惑のマーマレード【登坂広臣】

溢れた4文字 ページ22

広臣side








広臣「だから隆二お前調べてみろって。笑 まじでこいつ笹山さん激似だから。笑」


A「もうちびまる子ちゃんネタやめない？笑」


広臣「いやまじまじちょ、一回見て。笑」









酔ってる隆二に無理矢理携帯握らせる俺。笑




もうほんと、大好きなんだよね。

ちびまる子ちゃんの笹山さん。




まじで雰囲気とかAにそっくりなの。

ふわふわしてるし、不思議ちゃんって感じだし。




あ、もちろん褒めてるよ？笑









隆二「……似てる。」


広臣「でしょ！？可愛いんだよな〜まじで。」


隆二「…臣ってほんと、」


広臣「ん？」


隆二「……ほんと、Aちゃんのこと好きなんだ…」


広臣「え、」









言いながらついに寝ちゃった隆二。



……いやいや、この空気どうしてくれんの？



隆二が改まってそんなこと言うから

さっきまで賑やかだった個室、すげー静まり返った。









Aもなんかそわそわしてるし。



あー無理、恥ずかしい。









広臣「……こいつ、なに言ってんのか…」


A「…うん。」









あれ、俺いっつも何話してたっけ。


こんなしんみりした空気、初めてで…








鼻の頭掻きながらチラッとAを見ると


両手でほっぺ覆って

恥ずかしそうに唇噛んでた。









……これ、狙ってやってないのがズルいんだよな。



何人の男が落ちんの？









広臣「……なあ、」



A「…ん？」



広臣「……好きだよ。」









自然と口から溢れたその4文字が、


Aの中でどういう風に理解されて、受け止められてんのか




そんなの分からないし、分かったところできっと

今の俺にはキツいもんがあると思う。









けど









A「……わたしも、人間としてはすごく好き。」


広臣「ふふ、なんだよそれ。笑」









いつも、斜め上な回答をくれるA




これだから、やめらんないんだ。









広臣「ほら、これ食った？すげー美味いから。」


A「ん？食べてない。ちょうだい。」


広臣「はい。もう隆二寝てるしふたりで全部食おうぜ。」


A「いいの？」


広臣「いいよ。」








取り皿に分けてやると、ニコニコ嬉しそうな笑顔見せてくれて。







俺が好きな笑顔だ、なんて思ってた








そのとき







．









___ガラッ









Aの後ろにある部屋の扉が



勢いよく開いた。

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