魅惑のマーマレード【登坂広臣】

誘拐 ページ20

Aside







A「もう、突然誘拐しないでよ。」


広臣「予告して誘拐すんのもおかしいだろ。笑」


隆二「あっはっはっはっ笑」








後部座席に放り込まれて、


臣さんの運転で外に出る。






助手席の隆二さん、ずっと笑ってるし…









広臣「暇でしょ？メシ行こ。」


A「連絡してよ。」


広臣「いや俺らもこんな早く終わると思ってなくてさ。ね？」


隆二「そうそう。あ、そういえばAちゃんとメシ行く？っつって。ごめんね？突然。」


A「……いいけど…」







隆二さんにそう言われると、歯向かえないというか。


まあべつに暇だからいいんだけど。








A「で、待ち伏せしてたの？」


広臣「待ち伏せっつか…まあ、待ってた。笑」


隆二「臣がさ、A絶対このエレベーター乗ってる。とか言ったらほんとにAちゃん出てきてさ。びっくりほんと。笑」


広臣「バカお前それ言うなよ。笑」


A「臣さんってわたしのストーカーだもんね。」


隆二「え、まじ？」


広臣「なわけねえじゃん信じんなよ。笑」









この2人と一緒なのは、ほんとに半年ぶりで。






そういえばあの時も突然だったな。



暑い日に、突然電話がかかってきて



海行くぞ！って。




水着ないって言ったらもう買ってるとか言うし。

ビキニだったからすごい嫌だったし。






ふたりがオーラむんむんで、バレないかひやひやだったな。









A「隆二さん、お久しぶりですね。」


隆二「突然っすねー。笑」






後部座席から話しかけると、また笑ってる。






隆二「ほんと久々じゃん。元気してた？」


A「もう、元気有り余ってます！」


隆二「じゃーよかった。笑 見事に会わなかったもんね、半年間。」


A「ほんと…」


隆二「Aちゃんのデスクどこなの？俺たまに覗いたりしてるけど分かんなくって。」


A「えーっと…」


広臣「俺らの方から見て、前から3ブロック目の右から4つ目。」








……やばい、ほんとにこの人ストーカーかも。







隆二「臣、今のは気持ち悪い。笑」


広臣「え？」


A「さすがに引く。」


広臣「だって俺いっつも見てるし。」


A「いっつも？」


広臣「いっつも。」


隆二「きも〜。笑」









きもって言うなよ！って臣さん




まったくもう。


わたしのなにがそんなに良いんだろうか。

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