魅惑のマーマレード【登坂広臣】

大事な話 ページ13

広臣side









料理が苦手なA。





だけどめっちゃ練習してんの知ってるし

頑張って上手くなろうとしてんのも伝わる。







キッチンで、唇をきゅっと結んで格闘してる姿も可愛いし。









だから、この卵がカチカチに固まってる親子丼すら

愛おしく思えてくんだよね。笑









A「……まずいならまずいって言っていいよ。」


広臣「いやほんとまずくない。まあ卵はもうちょっとトロトロの方が嬉しい。笑」


A「だって難しいんだもん。」


広臣「分かってる。笑」








俺にとって味とか見た目とか、ほんとどうでもよくて。



Aが作ってくれたってだけで十分幸せ。







広臣「あのさ、今日泊めてよ。」


A「……それ毎回普通に言うけど、わたし一応女の子だからね？」


広臣「知ってるわ。てかむしろ女としてしか見てねえわ。」


A「それはちょっと嫌かも。笑」








くすくす笑ってるけど、俺結構本気だよ？笑







広臣「いいじゃん。手出してないんだし。」


A「出されたらぶっ飛ばすもん。顔面。」


広臣「顔はやめて。笑 商売道具だわ。笑」








ふふって、口に手当てて笑ってる。


あー癒される。

可愛すぎっすよ、Aさん。









それから

飯食い終わって、風呂入って




すっぴんパジャマ姿なA。



こんな無防備でさ、俺じゃなかったら確実に襲われてるわ。








A「ねえこのモデルさん、会ったことある？」


広臣「ん？あー、あるある。スタジオが一緒んなって。」


A「ふうん。」









聞いといて興味示さないのはこいつの悪い癖。笑








広臣「……よし、A。」


A「ん？」


広臣「大事な話があります。」


A「え？」


広臣「こら、テレビ見んな。笑」







テレビの電源落として、

もうなに？って膨れてるAと向き合う。






大事なことじゃん。


ちゃんと言わねえと。









広臣「……俺さ、本気だからね。」


A「なにが？」


広臣「…その、…Aのことが好きって。」









言うと、じーって俺のこと見つめてくる。




あーもうなになに。


恥ずかしくてこっちが逸らすレベルだわ。









広臣「……なんすか。」


A「…まつ毛ついてるよ。」









言いながら、俺の涙袋んとこ人差し指で撫でてる。








……はあ、だめだこいつ。笑

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