Whiplash (ページ5)

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haechan

「あえっと、お名前聞きたいです」

反射的に口から出たこの言葉は、小さくて、慣れていないようで、恥ずかしかった

あれ、俺ってアイドルだよね？

『あっ、えっと、私はAです。練習生です』

「Aちゃん、綺麗な名前ですね！」

『ありがとうございます！あの、もしかしてデビューしてらっしゃいますか？』

「ネ、NCTのヘチャンっていいます。」

『わーすみません、、、NCTなんですね』

「知ってました？」

『はい。ダンスの先生からお話聞いたりします』

「そうですか…」

僕たちの先生と一緒なの？なんでだ？
いやそんなこと今どうでも良くて、会話が止まってしまった…
何でこんなに頭が真っ白になるんだろう

『「 …… 」』

『あ、、では、私は戻りますね』

「1人で練習してたんですか？」

『はい』

「あの、僕もう練習終わったからこのサイダーいっしょに飲みませんか？」

チャラいと思われるかなと考えたけど
Aちゃんの事少しでも知りたい、もう少し喋っていたい

『いいですね、どこ行きます？』

「屋上のベンチとか？」

『わー最高です。私夜のあそこ大好きなんです』

「僕もです。行きましょ」

メンバーや周りの人に見られるとまずいですよね、と少し後ろを歩く可愛い子
てかこれってナンパになるのか？

いや、違う、同じ事務所の練習生と仲良くなりたいだけ
こんな疲れたんだからちょっとくらい癒されるべきでしょ

『人居ないですね』

「ねーよかった」

ベンチに座ると
失礼します、とAちゃんが横に座った

初対面だから若干距離があるのが、またいい

『えと…ヘチャンさん何歳なんですか？』

「00、Aちゃんは？」

『01年生です、惜しいですね』

「うぇ、同い年かと思った、落ち着いてるから」

『そうですか？』

「急に誘ってビックリした？」

『はい、なんで誘ってくれたんですか？』

「んー最近忙しくてメンバーとかスタッフさんとしか喋ってなくて何と言うか、空気の入れ替えみたいな？」

冗談まじりで言うとAちゃんはかすかに唇を尖らせた

『それって、誰でもいいんじゃないですか』

はー、ちんちゃ

「冗談ーほんとは興味持っちゃったの、Aちゃんに」

そう言っても微動だにせずあははと笑っている

なんだよ、ちょっとは照れろよ

心の中の俺の声が聞こえた

疾走初動154万枚おめでとう^_^