Whiplash (ページ3)

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これは運命だ

ボクとキミはいつか2人で同じステージで踊るんだ

｢カトクこうかんしよう！｣

『カトク無いです』

ナンパじゃないのに〜と笑い飛ばしてみたものの、一瞬本当に断られたかと思った
ボクのカトク断るなんて

｢え、ほんとに？｣

ちょっと不安そうな顔をして、キミに問いかけてみた

ウソですよ、はいこれどーぞ
そう言うと自分のスマホを渡された

えぇ〜、コワイ、この子、大丈夫なの
さっき会った男にあっさりスマホ渡してるけど
なんかテン心配になってきたよ

｢警戒心無さすぎ、笑｣

『最初は警戒してましたよ』

｢今は？｣

『してます。けどテンさんなんか私と似ている気がして』

｢テンもそうおもう｣

いま、凄く心地いい

『なんか話してると心地いいです』

｢……あのさ｣

言いかけたのを抑えてIDを打ち込み始める
そしたらね、スマホに通知が2件続けてきたんだ

なんだと思う？

両方とも違う男からのカトク

〈A？明日は会える？〉
〈昨日俺の家に腕時計忘れただろー。また届けに行くよ〉

『わー、すみません兄です』

全く動じないという顔で平気で嘘をつくキミに腹が立った
何故か異常にムカついた

多分ボクは、勘違いをしていた
ボクがAという宝石を見つけたんだから
好きな踊りが一致するんだからこれからキミの1番の理解者はボクになると
ボクのものだと

キミのダンスに興奮してしまって、気づかなかった

細くて指を通したくなる茶髪おそらく地毛だなぁ
大きな目に長いまつげ、ツンとした鼻、真っ白な肌は踊ったからかほんのりピンクに染っている

まるで造形物だ

これはモテないわけが無い

うぅん、どうしたものか
出会った初日から、キミへの執着心が芽生えてしまった

キミの特別になりたいし
Aをボクの特別にしたい

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