Whiplash (ページ2)

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｢………え…誰ですか？｣

『テン』

｢何で入ってきたんですか……？｣

『キミの名前は？』

｢あの……｣

『名前、教えてよ。凄いねぇ、お見事だ』

『テン、びっくりした。鳥みたいだった。きれい』

『てゆーか、何でここ使ってるの？ここ、練習生ダメだよね？』

｢ねえ！｣

突然鋭い目付きの男が入ってきたと思ったら、話が通じないやつで、不審者？
きょとんとしたネコ目でこっちを見る彼は悪気が全く無さそうだ

｢……何なんですか、いきなり入ってきて、怖いです｣
｢警備員、呼びますよ｣

そう言うと彼はじとりとした目で私を下から上まで舐めるように見てきて、フフフと笑いだした

そして、付けていたマスクを外した

『ごめんねぇ、びっくりさせちゃった？ボク、テンって言うの。NCTってチーム、ここのアイドル』

人間離れした美しい顔に思わず惹き込まれる

｢あー、勘違いしてすみません｣

『なんだ、ボクのことしらないの』

｢すみません｣

『いーや、ねぇキミ、練習生？なんでここの鍵もらえるの？』

｢それは、言えません｣

実は私はデビューが決まっている

イスマン先生と職員さんと私だけの秘密

sm『まだどのチームか言えないけど、半年後追加メンバーとして合流させる』

ここの練習室は自由に使っていいと言われたのだ

『ふぅん』

｢ふぅん｣

『マネしないで』

｢テンさん、私はAです｣

名乗るとテンさんはとびっきりの笑顔になった

『わぁ〜おしえてくれるんだぁ』

『A、カトクこうかんしよう！』

｢カトク無いです｣

『うわひど〜いナンパじゃないのに』

キャハキャハと笑うテンさん
さっきまで不審者みたいで怖かったのに印象が全く違うではないか

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