月虹物語 2 (ページ40)

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第90話ページ40

私は夕方の事を考えながら深夜に訓練場で剣の素振りと魔力の訓練をする事にした。

もちろん誰1人として起きてはいない、私だけが起きている状況。

虹の城・訓練場・深夜

ルナ
「1…2…3…1…2…3…」

剣の素振りを繰り返しながら剣に魔力を込めていく。

ルナ
「1…2…3…1…2…3…っ」

魔力を込めた剣が熱をおびた瞬間、私は両足を地面についてしまった。

ルナ
(一瞬だけど魔力が入ったのにすぐ魔力切れして、力が抜けちゃった。)

私はため息をつきながら立ち上がり剣の素振りを再開する。

ルナ
「1…2…3…1…2…3…」

魔力を発動させながら素振りを繰り返していると出入口からコンコンッと扉をノックする音が聞こえて振り返った。

キラ
「キュー？(ルナ？)」

ルナ
「キラ、どうしたの？」

私は剣を床に置いてキラの方に歩み寄る。

キラ
「キュ？キュー？(寝ないのですか？)」

ルナ
「考え事したら身体を動かしたくて起きてたんだよ。」

キラ
「キュー、キューキューキュッ？(僕も身体を動かしてもいいですか？)」

ルナの前でキラが二足歩行で立ち上がり前両足でシュシュッと素手の素振りをする。

ルナ
「うん、いいよ…あっ、この事はシオンにはナイショだね」

しーっとルナがすると同じようにキラもしーっとする。

キラ
「キュッキュッキュー！(ルナから貰ったお守りを使いたい！)」

ルナ
「じゃあ、集中力と魔力の込め方の練習しようか」

ルナは中央に座ると宝石武器を手の中に収まる大きさにして手を合わせた。

ルナ
「剣で素振りしながらでもいいけどこうやって少しづつ宝石に魔力を込めるのも大事な練習になるから数分だけでもしておくと身に付くよ。」

キラも中央に座るとルナと同じように宝石を赤い巾着から取り出して手を合わせる。

キラ
「キュッ…(集中…)」

深夜なので静かにしていると外の音がよく聞こえて穏やかな気持ちになる。

少しづつ宝石に魔力が集まるとキラの宝石が輝き始めた。

キラ
「キュー？(わぁー？)」

ルナ
「キラ、そのままの状態で集中してみて。」

キラ
「キュッ！(はい！)」

キラは頷くと目を閉じて魔力を込める。

ルナ
(魔力を持って産まれた狐種だから魔力の適性も優秀だなぁ。それに比べて私は…)

ルナの宝石は輝きが全くない。

ルナ
(やっぱり夜から朝方までは魔力が使えなくなってるんだ…悔しいなぁ。)

ルナは宝石武器(首飾り)を元に戻すとキラの方を見つめた。

キラ
「キュッキュッ？(もう終わりですか？)」

ルナ
「続けて大丈夫だよ。」

キラは頷くと練習を続けた。