月虹物語 2 (ページ17)

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第67話ページ17

虹の城・訓練場

クラン
「急に幻獣化しろとはどういう事だ、リク」

リクに言われて狼の姿に戻ったクランはお座りした状態でリクを睨む

リク
「そう睨むな、単純に力比べがしたいだけだ」

クランの前でリクは獅子の姿に戻った途端、クランの周りに水滴が集まってきた

リク
「属性的には俺の方が有利だが…特殊能力を持っていたのか」

※特殊能力
幻獣化をした者に発動する能力で扱える者は自身の能力を上昇させたり仲間の援護に魔力を分け与えたりもできる

クラン
「20歳になった時に特殊能力が発動するようになったんだ…これで属性の相性は互角に戦えるようになっただろ！」

リクはクランが先制攻撃分をしてくる事が分かったので上にジャンプする

リク
「互角に戦えると思ったのか？」

リクの尻尾がクランの首に巻き付き着地すると同時に風圧でクランは床に押し潰される

クラン
「くっ…」

クランは首に巻き付くリクの尻尾を外そうとするが更に風圧が上から来る

リク
「降参するか？」

クラン
「降参なんかすると思うな！」

いつの間にかリクの周りには泡が溢れクランが風圧の中で弾けろっと言うとリクの周りの泡が一斉に弾けリクの尻尾は離れ風圧も消えた

クラン
「ずぶ濡れになった気分はどうだ？」

クランはずぶ濡れのリクを見つめながら歩み寄る

リク
「力比べじゃなかったら…怒っているところだ」

リクはクランの身体に力強く噛み付く

クラン
「くそっ！離れろ！」

リク
「離れてやるつもりはない！」

クランが必死にリクを剥がそうとするがリクの歯が奥に入っている為中々剥がせない

クラン
(力が抜けて…上手く…剥がせない)

リク
(さすがにやり過ぎたか)

リクが噛み付くのを辞めるとクランは反撃を開始した

そして1時間後・ルナの部屋

ルナ
「全く二人とも、もう少しラグが止めに入るのが遅れてたら病院送りだったんだよ」

リク
(病院送りの前にイルにこっぴどく怒られたがな(汗))

ルナ
「幻獣化しちゃうと加減できなくなるんだから今度からは幻獣化なしで訓練してね」

ルナはクランの背中に塗り薬を塗る

リク
「魔物を討伐する際に…フゴフゴッ」

クランがリクの口を手で塞ぐ

クラン
「ルナの前でそれ以上言うと怒られるだろ！」

ルナ
「それにしても二人とも塗り薬だけで傷が消えてるなんて…イルの作った薬は凄いね」

リク
「ルナ、俺にも薬を塗ってくれないか？」

ルナ
「クランが終わったらね」