月虹物語 2 (ページ16)

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第66話ページ16

その夜、リクの提案によりシオンとルナは無の城に来ていた

無の城・庭

小さき魔物王
「ギャンギャンッ(ルナの前で跳ねる)」

ルナはただ座り小さき魔物王を見ている

シオン
「リクが幻獣王様に相談していたのには驚いたな」

ルナ
「…そうだね」

シオン
「敵対しないならキラも連れてくればよかったな」

ルナ
「…うん」

小さき魔物王
「ギャンッ(置いてあったボールを持ってくる)」

シオン
「ルナ、少しだけでも接してみたらどうだ」

ルナの前にボールを持ってきた小さき魔物王は尻尾をふりながら座って待っている

小さき魔物王
「ギャンッギャンギャンッ(遊ぼ！遊ぼ！)」

シオン
「ルナ、転がすだけでもいいと思うぞ」

ルナは置かれたボールを手に持って転がした
それを見て小さき魔物王は嬉しくてそのボールにしがみつく様に飛びついた

ルナ
(本当に敵対しない魔物なんだね…世界のバランスが保たれる存在)

ルナはボールにしがみついている小さき魔物王を抱き上げる

小さき魔物王
「クククッ(スリスリする)」

ルナは作った小さなマントをカバンから取り出すと小さき魔物王に付けた

ルナ
「…私はこの子とお友達になれるかな」

シオン
「ルナの事が好きみたいだからな、友達になってくれると思うぞ」

ルナから貰ったマントを気に入ったのか
小さき魔物王は被っていた古い王冠をかぶり直すとドヤッとルナとシオンにアピールする

ルナ
「…ふふっ、気に入ってくれてよかった」

シオン
「よく似合ってるぞ」

小さき魔物王は地面に降りるとルナの周りを嬉しそうに跳ねる

ルナ
「シオン、今日はこのままお泊まりする？」

シオン
「リクからの話では会ったら帰ってもいいと言われたが？」

ルナは小さき魔物王の頭を撫でるといつもの優しいルナに戻っているとシオンは確認した

小さき魔物王
「ギャンギャンッ！(撫でて撫でて！)」

ルナ
「私はこのままお泊まりしたいなぁって思ってるの」

シオン
「分かった、リクに連絡した後に幻獣王様に泊まりたいと言ってくる」

シオンはリクに連絡するため少し離れた場所で小型端末を取りだした

ルナ
「お泊まりできたら一緒に寝てくれる？」

小さき魔物王はいいよっと頷くとルナに飛びついて頬をすり合わせるのでした

その後ルナは小さき魔物王と仲良くなり、王会議中は小さき魔物王を膝に乗せながら話し合って元の元気を取り戻しました