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ホームルームが終わって鞄を持ちスニョンの席へ行くと、スニョンは元気が無さそうで。私が返事をすると言ったから緊張しているのかな。
校門を出て二人並んで歩いているけど、スニョンは何も喋ってくれない。私から、言わなきゃ。
「スニョン」
「……ん」
「返事するって、さっき言ったから」
「ああ、」
私は隣にいるスニョンの手を握った。力なく握り返された手。
「……私、スニョンと付き合いたい」
「……え、」
「ダメ?」
「いいの?……絶対フラれると思ってた」
私が微笑むと、その場でスニョンは私を抱きしめた。抱きしめ返すとスニョンは小さな声で嬉しい、と言った。
「スニョン、早く帰ろうよ」
「離したくない」
「もー」
中々離してくれないスニョンを無理矢理剥がして手をつないで歩いて行く。手を繋いでも、抱きしめても、キスしてもおかしくない関係になったんだ。これでスニョンを傷つけることもないよね。
「スニョン、顔赤いよ」
「うるせー……」
「かわいい」
余計に赤くなったスニョン。手は固く握られているけど、俯いてばっかりで。照れてるのがわかりやすい。
「A……俺のこと好き?」
「うん、好きだよ」
「男として?」
「そうだってば」
ふーん、と納得いかないような、照れているような返事をしたスニョンはまだうつむいてる。私まで恥ずかしくなってくるじゃん……。
私の家の前まで来ると、スニョンは私を見つめる。私もつられて見つめていると、触れるだけのキスをされた。
「……俺、今日はもう帰る。また明日な」
スニョンはすぐに振り返って背中を向けて帰って行ってしまった。さっきのとは違う、衝動的ではないキス。私の顔はみるみるうちに火照ってしまった。
私もちゃんと、スニョンを男の子として好きになればいいんだ。
余計な感情は心の奥にしまって、スニョンとのことを考えることにした。
スニョンが私を好きなんて、聞いたその時は信じられなかったけど今日1日だけで痛いほど伝わって。ずっと好きだったと言っていたスニョンの気持ちを考えると、どれだけ迷って、悩んできたんだろう。
ただの幼馴染みとして何も知らずに接していた私。
私にはきっと、スニョンがいなきゃダメなんだ。
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RICKY(プロフ) - ドキドキしました!いいですね! (2016年2月5日 0時) (レス) id: b6d07f01f2 (このIDを非表示/違反報告)
te - あまりにも最高すぎて朝になりそうです、更新めちゃくちゃ楽しみにしてます (2016年1月18日 3時) (レス) id: 7de32dbd0c (このIDを非表示/違反報告)
ぱお〜ん木下 - サイッコオオオオオォウデッス!!!更新楽しみにしてます!!!!! (2015年11月10日 0時) (レス) id: 1c99d1a675 (このIDを非表示/違反報告)
ハチミツ野郎(プロフ) - イジフンと付き合います。 (2015年8月31日 17時) (レス) id: adcdeb6ee7 (このIDを非表示/違反報告)
。(プロフ) - ハチミツ野郎さん» ディエムッして本気で! (2015年8月14日 20時) (レス) id: 6d523d37fe (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:。 | 作成日時:2015年7月28日 22時