となりのイジフン (ページ28)

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コンビニの中に入ると天国かってくらい涼しくて飲み物を買うはずがつい雑誌コーナーに寄ってしまう私。

ファッション誌を少しだけチェックしたところで飲み物のことを思い出しふと振り返ると、そこには買い物に来たであろうイジフンがいた。

お互いに同じタイミングで気づいたのか目が合って、私からかけよると目をそらすイジフン。学校以外でも素っ気ないんだ。

「昨日電話、ごめんね」

「いいよ別に……てかこんなとこでなにしてんの」

「友達の家が近くて、そこの公園で花火するの」

ふーん、と興味無さそうなイジフン。学校以外で会えるなんて思ってなかったからまだ心臓がドキドキしている。

「なに買いに来たのー？」

「お茶」

「家近い？」

「うん」

「家帰ってなにすんの？勉強？」

「また質問攻めかよ」

イジフンはふらふらと商品を見て歩きながら少し笑っていた。いつもより機嫌が良さそうかな？そのまま私とイジフンは会計を済ませてコンビニを出た。

「ねー、イジフンも花火する？」

「は？いいよ俺は」

「いいじゃん、私花火好きなの」

「俺は別に……」

「じゃあ花火好きになろう？」

「は？」

イジフンの腕を引いてすぐ近くにある公園に。イジフンは嫌がってるけど私の腕を振り払うことはしなかった。

公園に着くと、もうソクミンくんも来ていて３人で楽しそうに話していた。

「ねーねー、そこでイジフン発見したの」

「あ、ヌナの隣の席の」

イチャンがイジフンを見て言うと、イジフンはペコリと頭を下げた。人見知りしてるのかな？

「Aちゃんナンパしてきたの？」

「違う違う！コンビニでたまたま会ったの！」

ソクミンくんに言われて慌てて言うと、イチャンまで笑っていた。スニョンはイジフンが来たことに驚いているみたい。

「イジフン、家この辺なの？」

「うん」

「へー、学校以外で会うの初めてだからなんか変な感じだな」

スニョンはそう言いながらみんなに花火を渡した。ライターに慣れてなさそうだから見てるこっちが心配になっちゃう。

イジフンは渡されたままに花火を持ってそれを見ていて微笑んでいるように見えた。あんな顔するんだ……