となりのイジフン (ページ11)

今日:12 hit、昨日:9 hit、合計:90,977 hit

１１ページ11

一人になった教室でまた伸びをする私。スニョンまだかな、そう思って教室を出ようとしてドアを開けるとさっき帰ったはずのイジフンがいた。

「わっ、びっくりした、帰ったんじゃなかったの？」

「……いいから教室ん中に入れ」

「は？なに？なんで？」

いいから、と私の腕を引き席につく私とイジフン。なに？なんでここにいなきゃいけないの？

「ねえ、なに？どうしたの？」

「いいから、ここにいろって」

理由を言わないイジフンに腹が立って私は走って教室を出た。

「。A！」

後ろから名前を呼ばれたけどそれは意味もなく、私は見てしまった。

さっきスニョンと話いていた女子が、スニョンに告白をしているところを。なんていいタイミング。女子はスニョンに抱きついた。

私は慌てて教室の中に戻る。焦ってドアを閉めたせいで大きな音を立ててしまった。

「……だからここにいろっつったのに」

「なんで……」

「……お前……あいつのこと好きなんじゃないの？」

「私達はただの幼馴染みだよ」

「ふーん……」

イジフンはまた私を見ずにそう言った。好きって、そりゃ幼馴染みなんだから嫌いなわけないでしょ。でも、なんでこんなにショックなんだろう。見てはいけないものを見てしまった気分。

「イジフン……」

「ん」

「……帰ろっか」

「は？」

「もう、家帰りたい……待ってなければよかった
」

イジフンは俯く私の頭をぎこちなく撫でた。幼馴染みが告白されてるところを見るのってこんなにショックなものなのかな。

ぎこちない優しさに、胸が少し痛くなった、気がした。