恋人未満。《s.m》 (ページ25)

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森本side

良くないってわかってる。

でも限界だった。

好きだった彼女の好感度は氷点下。

すぐにでも別れたいのに泣き叫んで
喚き散らす。

決着がつかない期間も匂わせは止まらずで。

顔を合わせたくなくて最近はわざと遅く帰ってて。

好きだと自覚した相手から飲みに誘われれば
行かないわけが無い。

お開きの時間が近づくにつれて重くなる心。

思わず帰りたくないと
Aにわがままを言ってしまった。

Aの性格上、嫌がるのはわかってたけど
本っ当に家に帰るのが嫌で
ずるいのは100も承知でAが断れないように
わざとしんどい顔をすれば仕方ないな、と
受け入れてくれる。

貴「明日の仕事は？」

森「明日はオフ。
だからこのまま泊まってくね」

貴「は？」

森「ジェシーは泊めてたんだから
俺にダメとか言わないよね？」

自分でも性格悪いと思うけど
多少強引にでも行かせてよ今日くらいは。

貴「そ、れはさ、状況が違うじゃん……
その、ジェシーはフリーだったわけだし……」

そうだよね。

俺は仮にも彼女持ち。

傍から見れば俺は浮気野郎かもしれない。

普段の俺なら絶対許さないと思う。

でも俺は彼女に別れたい意思も伝えてる。

向こうが取り付く島もないってだけで
俺は悪くない。

それにAと居られるならクズになったっていい。
それくらい大好きなんだって気づいたから。

森「俺のために嫌な女になってよ」