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田中樹の場合
小話
田中side
森「みーちゃった」
てへっと効果音がつきそうな
憎たらしい笑顔を浮かべ話しかけてきたのは
ここの副店長である森本慎太郎。
田「なにが？」
あくまでも何もしていませんと繕いつつ答える
森「ふーん？とぼけるんだ？
Aちゃんにしっかりと連絡先交換してるの俺見ちゃったなぁ！！」
田「ばっ、声でかい!!!」
でかい声で真実を話す慎太郎に慌てて
口を塞ぐ
田「ふー……頼む、ここだけの話にしてくれ」
と頼めば
森「まぁ、他に言うつもりは無いけど。」
とさっきの完全なる冷やかしモードは
どこにいったと真顔になる慎太郎。
田「じゃあ、さっきのやり取りはなんだったんだよ……」
森「いやぁ、樹がしっかり彼女なしのアピールしてまで連絡先交換してるの珍しいからつい」
田「あ〜…」
まぁ、確かにお客さんに連絡先聞かれても
普段ははぐらかしてるから
余計そう思われるんだろうな
森「気になるの？」
田「ちょっとだけ…なんか、ほかの子と雰囲気違うし、笑った顔めっちゃ可愛いんだよね。」
森「へー！樹がそこまで言うなら気になるなぁ」
ワハハっとこちらを茶化す
田「…手出すなよ」
森「まさか！樹敵に回すと面倒臭いししないよ！
まぁ上手く行きたいなら遊びぐせ直しなよ〜！」
さらっと余計なことを言って去っていく慎太郎に
言われんくても本命できたら遊ばんわ、と
心の中で毒づく。
あ〜…でもほんとうるさい人達切っとこうかな……
あの子に誤解してほしくないし。
俺なんでこんなにAちゃんのこと
こんな気になってんだろうなぁ……
たった数時間話しただけなのに。
今まで感じたことないモヤモヤを抱え
携帯を眺める。
彼女からのメッセージの通知が来て
思わず緩む頬。
仲良くなるのはそう遠くない予感……
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作者名：Rio | 作成日時：2019年12月2日 21時
