hairsalon【SixTONES】 (ページ28)

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貴方side

ブローが終わりワックスで仕上げれば

ふんわりと女の子っぽさ全開の自分が

鏡にうつる。

丸顔なのがコンプレックスな私にとって

とても有難い輪郭を隠すかのように

内巻きになっている髪の毛。

さすが指名率Ｎｏ．1と言うだけあるな

と1人納得してしまう

「どう？さすがっしょ？」

とても満足気に尋ねてくる田中さんに

貴「とても素敵です！ありがとうございます！！」

と素直に答える

「!！……喜んでもらえて良かった」

「あーそうだ、これ」

差し出されたのはお店のショップカード

「良かったらまた指名してね」

とウィング付きで渡される

貴「あ、ありがとうございます！」

じゃ、とすぐ会計まで案内され

会計を済ませる。

帰り際に、出口で

「Aちゃんともっと仲良くなりたくなっちゃったから連絡先教えて！」

と田中さんから渡される携帯。

驚いていると早く！と急かすように

自分の連絡先を追加する。

「っし！ありがとうー！
仕事おわったら連絡するね～！」

とニカッと笑いながら

ひらひらと手を振り見送られる。

貴「……やっぱりチャラいじゃん……」

そう呟いた私の手には画面の開かれた携帯。

彼からワン切りされた連絡先に少し頬が緩くなる。

ちゃんと家着いたら連絡して。

と一言、

メッセージに田中さんからおくられていた。

絶対女慣れしてるなぁ……なんて感じつつも

単純な私は喜んでしまう。

仲良くなりたい、なんて思うのは

私も一緒。

また近いうち、今度は髪を染めに行こう。

そう決めて帰路を辿った。