50.違うこと ページ20
・
振り絞るように、
伝わるように。
なんとか言葉にした“好き”は
大野さんのありがとう、に全て包み込まれた。
目の前に伸びる影を眺めながら
黙ってエントランスまで送ってくれて。
「ありがと、こざいました、」
智「ん、」
帰ろうとしない革靴に
顔をそっと上げてみたら。
智「付き合ってくれる？」
「へっ、」
智「んふ、彼女に、なってくれる？」
彼女って響きに
鼓動を抑えるのに必死で
ただコク、と小さく頷くことしか出来なかった。
智「今日から、よろしく。」
「こ、こちらこそ、」
智「じゃ、…また連絡するね。」
ひら、と手を振ってエントランスを出た後ろ姿は
猫背なのに男らしく、逞しく見えた。
「かのじょ、」
部屋に戻って1人、現実味のあるその言葉を繰り返してみたけれど
実感はまだなくて。
だって、
窓の外の景色も風に揺れる洗濯物も
何も変わらない。
もらった箱を開けてみたら
美味しそうなプリンとケーキがこちらを向いていた。
「おいしそ」
でもやっぱり、
まだ彼女っていう感覚がわからなくて。
ベッドを背凭れにしてしばらく膝を抱えていた。
ただ違うのは。
胸のどこか知らないところがずっと
ぽかぽか、あったかいことだった。
・
51.報告＊Kazunari＊→←49.近付く影＊Satoshi＊
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ともび(プロフ) - ちーさん» 嬉しい！！ありがとうございます！！！ (2018年11月1日 8時) (
レス) id: 2df8e76a2f (このIDを非表示/違反報告)
ちー(プロフ) - 智くんの言葉一つひとつがステキです。 (2018年11月1日 0時) (レス) id: b5c3a27ac7 (このIDを非表示/違反報告)
ともび(プロフ) - てるりんさん» さぁデートです！！もっとときめいてもらえますように……(笑) (2018年10月23日 16時) (レス) id: 2df8e76a2f (このIDを非表示/違反報告)
てるりん(プロフ) - いよいよデート始まりますね。ときめきが止まりません。 (2018年10月16日 23時) (レス) id: 17103a1cd5 (このIDを非表示/違反報告)
ともび(プロフ) - ともさん» ただいまです！！ゆるゆる、頑張ります！ありがとうございます！！ (2018年10月9日 19時) (レス) id: 2df8e76a2f (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ともび
| 作成日時：2018年8月7日 14時
