43.彼の横顔 ページ13
・
いつか、本物の虹を見たいと言ったあの話を
もしかして大野さんは覚えていてくれたんだろうか。
その優しさと暖かさに
同じように空の遠いところを眺めていたら
次第に空がオレンジに染まって
雲の輪郭がはっきりと見え始めた。
智「あーーそんな簡単に出ねぇかやっぱり」
「でも夕焼け、綺麗ですよ」
智「虹見せてやりたかったのに」
これでも充分。
私は嬉しかった。
あんな小さな話を覚えていてくれて
私の為に、なんて言うと自惚れに聞こえるけれど
走ってきてくれたし、後ろにまで乗っけてくれた。
虹が見れなくたって、私なんかには充分すぎた。
智「あ、メガネ濡れちったね(笑)」
「ほんとですね」
カチャ、と耳からそれを外して
女の子らしさの欠片もなくて申し訳ないけど
シャツの裾で水滴を拭ってから
またそれを掛け直して、
風で少し乱れたゴムのところを少し直した。
しばらく、2人で黙って、夕焼けを眺めて。
チラッと盗み見たその横顔に、
見惚れそうになって視線を空へ逃がした。
智「帰ろっか(笑)」
「はい(笑)」
智「押すよ」
大野さんが自転車を押すその隣を
私が歩く。
不思議な、感覚。
智「8月いっぱい、だよね、お店」
「はい、…そうです、」
智「……頑張ってね」
「はい、」
ぎこちなくて、ドキドキして、
もう少しこのまま
大野さんの隣を、歩きたいと思った。
・
44.彼女の横顔＊Satoshi＊→←42.河川敷の空＊Satoshi＊
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 908人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を見ている人にオススメ
「嵐」関連の作品
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
ともび(プロフ) - ちーさん» 嬉しい！！ありがとうございます！！！ (2018年11月1日 8時) (
レス) id: 2df8e76a2f (このIDを非表示/違反報告)
ちー(プロフ) - 智くんの言葉一つひとつがステキです。 (2018年11月1日 0時) (レス) id: b5c3a27ac7 (このIDを非表示/違反報告)
ともび(プロフ) - てるりんさん» さぁデートです！！もっとときめいてもらえますように……(笑) (2018年10月23日 16時) (レス) id: 2df8e76a2f (このIDを非表示/違反報告)
てるりん(プロフ) - いよいよデート始まりますね。ときめきが止まりません。 (2018年10月16日 23時) (レス) id: 17103a1cd5 (このIDを非表示/違反報告)
ともび(プロフ) - ともさん» ただいまです！！ゆるゆる、頑張ります！ありがとうございます！！ (2018年10月9日 19時) (レス) id: 2df8e76a2f (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：ともび
| 作成日時：2018年8月7日 14時
