136.匂いの中 ページ16
・
長く、深く、一度だけ重なったそれは
ス…と離れて
私のお腹の上にあった体重も無くなった。
翔「抱き締めて寝させて…」
「翔くん…、」
翔「ごめん…」
髪も濡れたまま
電気も消さないまま
向かい合って横になって、翔くんの力強い腕に抱き締められながら
その胸におでこをくっつけた。
同じ、ボディソープの匂いの中に
涙が出そうなほどの翔くんの男の人の匂いがした。
「………、」
翔「………、」
広い背中に、控えめに回した手。
ギュッと、抱き締められる力が増した気がした。
ほんとの翔くんが、わからなくなっていた。
もう一度掛かることのない電話にどこか不安になって
和さんと知り合いだという驚きと、…なにかわからないこの苦しさ。
ただ、抱き締め合って眠る
これが、私の覚悟していた夜だったのかな。
…そうしたのは、私、だよね。
ブ、と僅かな振動が
ベッドの下のラグから聞こえて
その音から、今は逃げるように
翔くんの腕の中で目を閉じた。
目を閉じたその向こうには
煙草をふかす和さんがいて。
怖くなった。
自分が、わからなくなり始めていた。
・
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 1469人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を見ている人にオススメ
「嵐」関連の作品
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
ともび(プロフ) - ともさん» 和さん派！いやもう複雑ですね、フフフ…次の更新をお楽しみに！ (2018年3月19日 21時) (
レス) id: 2df8e76a2f (このIDを非表示/違反報告)
ともび(プロフ) - ちーさん» ま、まっ、待ってて下さいねぇぇぇ〜〜！笑 (2018年3月19日 21時) (レス) id: 2df8e76a2f (このIDを非表示/違反報告)
ともび(プロフ) - オレンジさん» 嬉しいです( ；∀；)私なりに色々とこだわってる部分とかもあるので作者として嬉しいお言葉！！！ありがとうこざいます！ (2018年3月19日 21時) (レス) id: 2df8e76a2f (このIDを非表示/違反報告)
とも(プロフ) - うぅー翔さんの気持ちも解るけど…やっぱり私はカズくん派だ(笑)続きが気になるぅ(*^艸^*) (2018年3月19日 8時) (レス) id: 3ed79bfe04 (このIDを非表示/違反報告)
ちー(プロフ) - つっ続きがぁぁ 気になるぅぅ 待てない〜 (2018年3月18日 20時) (レス) id: b5c3a27ac7 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：知日(ともび)
| 作成日時：2018年3月2日 1時
