55.ー２択ー ページ25
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「大野くん！！」
あたしの声に、ピタッと止まった彼の足。
背中がくるりと向きを変えて
手をジーパンのポッケに突っ込んだまま、こっちを向いた。
智「貝塚、」
「あ、の…」
智「久し振り？でもねぇか」
呼び止めて、何を言おうとしたのかはわからない。
いつからだろう。
呼び捨てに変わった名前にドキドキする。
「ちょっと見かけて、えっと、」
智「そっか。急に呼ばれて誰かと思った(笑)」
んふふ、と笑う声はくすぐったい。
何も言わず歩く、大野くんの隣を黙って歩く。
一歩踏み出すたびに、コンビニの袋がカサ…と音を立てた。
「髪…染めた？」
智「ん、もう卒業したし良いかなーと思って」
「似合う、ね、」
智「そ？…何買ったの、それ」
「あ、アイス、」
そっか、と
なんでもない会話が、続かない。
信号の手前。
あたしはここで曲がらなきゃ、家には帰れない。
「あたし、ここ」
智「ね、」
「…？」
智「時間ある？」
「ある、けど、」
初恋の人。
好きだと、言えなかった人。
時間がないだなんて、例え急いでいたとしても
消えろと言われるまで大野くんの側に居たいと思った。
あたしの右手に提げられていた袋が
大野くんの手にそっと攫われる。
「あ、」
智「思い出作りしない？」
「思い、出…？」
智「遠回りするか直接行くか、選んで」
「じ、じゃあ、直接、」
智「じゃあ直接行くよ」
少しきつめに、初めて掴まれた手首が
大野くんによって知らない場所へ引っ張られる。
空はもう、薄暗くなっていた。
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知日(ともび)(プロフ) - みなちゅんさん» うれしいです！ありがとうございます！！楽しみにしていてください♪ (2017年8月14日 13時) (
レス) id: 2df8e76a2f (このIDを非表示/違反報告)
みなちゅん(プロフ) - こんばんわ、新作もまた読みにきてしまいました^ ^ また更新楽しみにしております！！ (2017年8月14日 0時) (レス) id: cc7a2757c6 (このIDを非表示/違反報告)
知日(ともび)(プロフ) - *-eni-*さん» eniさんさっそくありがとうございます！！！ウイスキーを飲んだ後の智でございます、うふふふ(*´ω｀*) (2017年8月8日 23時) (レス) id: 2df8e76a2f (このIDを非表示/違反報告)
*-eni-*(プロフ) - |qд･.)おじゃましまぁーす(笑) おトイレから出たらさとぴがいたー！お迎えは来れないみたいだし……どーなるのかなぁ！？(*´艸｀*) (2017年8月8日 23時) (レス) id: aaada8bfdf (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：知日(ともび)
| 作成日時：2017年8月8日 10時
