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107.暗がり ページ17



不意に、私を抱き締めた



二宮先輩の腕のチカラが



その体温が





あまりにも、優しくて。





「先輩………なにして…」




和「ちょっと黙ってろよ…」




ちょうど、耳のあたりでそう囁かれて



魔法にかかったみたいに身体が動かなくなる。





私の鼻が、先輩の上着の襟元に当たって




昨日と同じ匂いがした。





そんなに、時間は経ってないのかもしれない



けど、ものすごく長く感じた。





「っ、」



和「はっ……わり……」





突然、スッとその温度が離れた。




代わりに、私の机に置いてあったブレザーを押し付けられる。





和「バカじゃねーの寒いのに脱いでくとか」




目は、俯いたまま合わせてくれない。




「だって…照明で……」



和「あぁ……片付け、終わったの?」



「まだ…大野先輩たちが片付けてて、」





静まっていた、月明かりだけの教室の空気が動いた。





和「なぁ」




恐る恐る、見上げた表情は


暗がりで切なく、半分だけ照らされていた。





和「なんでいっつも、大野さんなの?」




「え……?」




和「なんで…いっつも俺の前に大野さんがいんだよ!!」



「っ!!」






ガンッ!!と



蹴飛ばされた松本くんの机が、倒れはしなかったものの、ズレて音を立てる。




和「お前、大野さんのこと好きなのかよ?」



「ちが………」



和「じゃあなんで手なんか繋いでんだよおかしいだろ…?」





落ち着いたその声に、何も言えなくなった。

108.唇→←106.一歩ずつ*Kazunari*



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知日(ともび)(プロフ) - マリーさん» 大丈夫ですよ♪最近忙しくて、今は合宿で泊まり込みなのでちょこちょこ更新しますよ〜(´ω` ) (2016年9月5日 21時) (レス) id: 2df8e76a2f (このIDを非表示/違反報告)
知日(ともび)(プロフ) - そよさん» 潤くんが少し切ない役回りですよね(泣)このあと2人がどうなるのか…見届けてあげてくださいね!!ありがとうございます!! (2016年9月5日 21時) (レス) id: 2df8e76a2f (このIDを非表示/違反報告)
マリー - 更新が遅れてますね 怪我や病気になってませんか? (2016年9月5日 19時) (レス) id: 5a5dc08590 (このIDを非表示/違反報告)
そよ - 潤くんありがとう!(*≧∀≦*)二宮先輩に火を付けてくれて!でも潤くんが二宮先輩を送り出す気持ちがちょっと悲しい~(T△T)作者さん応援してるので頑張ってください!!(*≧∀≦*) (2016年9月5日 18時) (レス) id: 1479d28aeb (このIDを非表示/違反報告)
知日(ともび)(プロフ) - いちごみるく☆さん» わ!!ありがと〜♪潤くんがね、言っちゃいましたね(笑)二宮先輩もさすがに…ねぇ?頑張って更新します!コメントありがと〜!!! (2016年9月4日 0時) (レス) id: 2df8e76a2f (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:知日(ともび) | 作成日時:2016年8月22日 20時

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