幾度のキスより《N.K》4

106.一歩ずつ＊Kazunari＊ ページ16

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なんなのお前ら？




見せつけ？？




付き合ってるわけでもねぇくせに、なんで手とか繋いでんのよ？



バカじゃねーの？




誘ってくるオンナノコならゴマンといる。




和〜、一緒に回ろぉよぉ〜とか



あとでヤ らせてあげるから〜とか




甘ったるい声出して、腕に胸を押し付けてくるような女なら、いくらでもいる。




だけどさ…。





俺が、欲しい女はそんなんじゃねんだわ。





お前だけなんだよ。





後夜祭が始まってからあいつの教室に入ったら、カバンと上着が置かれたままで。




和「寒くねーのかよ…」




バラードやら、告白大会の声とか、歓声とか




あいつの席に座って聞いてた。





俺、なんかストーカーみてぇだな(笑)





ずっとね、お前のこと考えてんのよ俺。




ね？気持ち悪りぃでしょ？(笑)







ガラ………




後夜祭が終わってから、席を立ってその横の窓に腕をのっけてあいつを待ってた。



座ってなくて良かったな、なんて。





「二宮、先輩……なんで………」





振り返ると、昼間、大野さんと手を繋いでたそいつがいて。




和「……A、」





一歩ずつ、こっちに近付く姿を、教室の電気もつけないまま見つめた。





「どうしたんですか…？」




俺の前で立ち止まって、泣きそうな表情を浮かべたAを




思わずそっと、抱き締めた。

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