51.けど ページ21
・
ビリビリと身体が痺れていた。
首筋へのキスも、鎖骨へのキスも
ものすごく怖かったけど、すごく優しかった。
お腹の奥と、胸の奥がキューッと締め付けられるみたいになって
自分の身体が変になっていくのが、嫌だった。
…怖かった。
涙がこめかみの辺りに流れると、突然、先輩の動きが止まって力が抜けて。
和「って…、」
思わず、頬を平手で叩いてしまった。
「はぁ、…っ、ごめ、なさ………」
和「……向いてねぇ」
「え……？」
あたしの上から降りて立ち上がって
まだ、胸元が少し開かれたままの、すごくいやらしい格好をしているあたしを見下ろした。
和「やっぱ、お前は遊びのオンナには向いてねぇわ」
吐き捨てるようにそう言って。
そう言ったくせに。
腰をかがめて、ただ密着させるだけのキスをした。
「っ、いや！！」
思い切り、肩を突き飛ばして
先輩がふらついたのも無視して、急いで起き上がったら
鞄を持って、1人になりたくて屋上へ走った。
あぁ、あの時と同じ。
初めてキスされた時と同じことをしてる。
涙が、次々に溢れてくる。
智「ど、したの……そのかっこ……」
「っ……ぅ、ふ……っ」
__________けど
智「ごめん…」
__________違っていたのは
智「ニノ…あいつバカだけど…」
「っ……」
__________大野先輩に、強く抱き締められていたことと
智「ほんとは、マジで良いやつなんだよ…」
__________その、見かけによらない逞しい腕の中で、一定のテンポで髪を撫でられながら
智「ごめんね、怖かったね……」
__________二宮先輩への、小さな恋心に気付いてしまったことだった。
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知日(ともび)(プロフ) - マリーさん» ありがとうございます！！これからも見守ってあげて下さいね♪更新頑張ります！！ (2016年8月27日 19時) (
レス) id: 2df8e76a2f (このIDを非表示/違反報告)
マリー - とっても面白いです！！ (2016年8月26日 13時) (レス) id: 5a5dc08590 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：知日(ともび)
| 作成日時：2016年7月15日 15時
