49.オトコ ページ19
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軽く抱き締められているだけで。
逃げようと思えば逃げられるのに。
和「ふざけんなよ………」
頭の、少し上から降ってきた言葉に、ビクッとした。
肩と腕に手を添えられて、至近距離で切ない目に捕らえられると、身体が固まって。
和「なんで入れたんだよ、部屋に。なんで…あのひと部屋に入れたんだよ？」
雨がひどくて、大野先輩は傘を持ってなくて…
降り止みそうにない雨の中、おじいちゃんが忘れていった傘を貸せば、
先輩は濡れずに帰れる
ただ、そう思っただけだったのに、あたしは…
「………すか…？」
和「あぁ？」
「二宮先輩に！…言う必要ありますか…？」
なんでそう、言わなかったんだろう。
不意に脳裏を掠めたのは、咲知の言葉
_____＿学年の女子、全員抱いたことあるって…
そんな人に、あたしのしたことを言われる筋合いなんてない。
そう思ってしまったんだ。
それが、二宮先輩を怒らせたんだと思う。
和「言えねーようなことしたわけ？」
「なんでそうなるんですか！？二宮先輩にだけは言われたくない！！」
和「どういう意味だよ？」
「色んな人と遊んでるような人に！
そんなこと口出しされたくなっ、きゃ！！」
気付けば背中にはソファ、目の前には見たことのない表情の二宮先輩、その後ろには、天井。
強い力で倒されて馬乗りに跨られた身体は硬直して。
怖い
その気持ちしかなかった。
茶色い瞳の奥に宿る、1人のオトコの視線があたしを射抜いて。
和「だったらお前も、そのうちの1人にしてやろうか？」
初めて聞くような、低く、掠れた声で
そう耳元で囁いた。
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知日(ともび)(プロフ) - マリーさん» ありがとうございます！！これからも見守ってあげて下さいね♪更新頑張ります！！ (2016年8月27日 19時) (
レス) id: 2df8e76a2f (このIDを非表示/違反報告)
マリー - とっても面白いです！！ (2016年8月26日 13時) (レス) id: 5a5dc08590 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：知日(ともび)
| 作成日時：2016年7月15日 15時
