46.盗み聞き ページ16
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大野先輩に傘を貸した数日後。
雅「あ、Aちゃん！」
「相葉先生…どうしたの？」
下駄箱の前で、急に呼び止められた。
雅「咲知ってさ…休み？」
「んー、体調不良だって櫻井先生が言ってたけど」
女子バスケ部のメンバーは、全員こうして名前で呼び捨てにされてる。
それがチームワークの秘訣で、うちの強みなんだって
咲知が教えてくれたっけ。
雅「そっか、今日いなくてさ、誰に聞いてもわかんないって言うからさ…そっかそっか、うん、ありがと！」
走って体育館に戻ってく相葉先生から聞いた咲知っていう名前には、なんだか特別な温もりを感じて。
「上手くいくと良いね」
そう1人で呟いて靴を履き替える。
和「誰と誰が上手く行くって？」
「えっ！？」
んふ、って笑った二宮先輩。
「盗み聞きなんて趣味悪いですよ…」
和「人聞きわりぃな、聞こえる声で話してる方が問題でしょーが」
ごく自然に、一緒に歩いて門を右に曲がる。
和「なぁ」
「はい？」
和「テスト前、また残んの？」
ズボンのポケットに両手を突っ込んで、俯いたままそう聞く。
「残ります、けど」
和「英語教えろ」
「は？」
「は？じゃねーわ」って笑われて、「じゃあ数学教えて下さいね」って思わず言ってしまった。
和「有料な」
そう言って口の端を上げて見せた笑顔にまた
トクン……と音がした。
そういえば、二宮先輩と会うのは
あの保健室以来だった。
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知日(ともび)(プロフ) - マリーさん» ありがとうございます！！これからも見守ってあげて下さいね♪更新頑張ります！！ (2016年8月27日 19時) (
レス) id: 2df8e76a2f (このIDを非表示/違反報告)
マリー - とっても面白いです！！ (2016年8月26日 13時) (レス) id: 5a5dc08590 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：知日(ともび)
| 作成日時：2016年7月15日 15時
