完璧 Lady～３つの過ち～ (ページ27)

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27.社長と秘書ページ27

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若葉「どうです最近、社長夫人？」

「やめてよ…(笑)」

季節はあっという間に夏

翔さんがプロポーズしてくれた1年前と同じような暑さで、今年もやっぱり蝉がうるさい。

わざとらしくそう聞いてきた若葉と食事をするのは

あたしの名字が"櫻井"に変わってから初めてだった。

若葉「で？どーなのよ？」

「まぁまぁ。だってとにかく仕事なんだもん、それに今年度は忙しすぎるのよ…」

大変そうだよねーって言いながらパスタを頬張る若葉と二宮くんは

相変わらず良い距離で付き合ってる。

籍を入れて結婚して

お互いをもっと知れる、知ってくれるって思ってたけど

その障害になるのは、以前より身近になってしまった、仕事という存在。

スケジュールの把握と車の手配、今までは自分である程度やっていた翔さんが

今はそれを全てあたしに任せている。

信頼されてるっていう部分は嬉しいけれど

そんな社長と秘書っていう関係が色濃くなって

夫婦ってなんなんだろう？って考えてしまうことも多くなった。

若葉「夫婦らしいコトしてないの？」

「……まだ、かな…」

怖がっちゃだめだよ、夫婦なんだから！って若葉のアドバイスが役に立つ日は

一体いつ来るのか想像もできない。

1年前、プロポーズされた時はあんなに幸せだったのに…って、

ふとそんなことを思った。