素直になれなくて《O.S》１ (ページ8)

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8.松本さんページ8

黒板の右側に書かれた文字をボーッと見つめる。

『委員長
３年1組櫻井翔』

サクライって字、難しいな…。

そんなことを思ってると、廊下の窓から「心ここに在らず。」って声。

「うわっ、せんせ…、なんでいるんですか！」

和「失礼だな(笑)俺ここの顧問だもん。」

そう言って口の端を片方上げてニヤッと笑う。

担任だし顧問だし一体なんの縁なのっ

なんて1人で項垂れてると、櫻井先輩が「始めまーす」って言いながら、

チョークの粉がついた手をパンパンってはたいた。

年間予定の書いたプリントが配られてから、1人ずつ簡単に自己紹介。

「1年1組の松本Aです、よろしくお願いします。」

各クラスから1～2人の選出だから、居るのは各学年3クラスで、合計15人くらい。

顔合わせもそこそこに、１１月の学祭に向けての話に切り替わる。

さっきの優しい雰囲気とは一変した、真面目な櫻井先輩がいた。

あたしは音楽・美術・その他展示の中で美術担当になった。

詳細は2週間後の会議から。

翔「じゃあ今日はこの辺で。お疲れ様。」

筆箱のファスナーを閉めて荷物を纏めながら、メンバーは良いけど、

顧問が二宮先生と体育の相葉先生ってとこが心配だな(笑)なんて1人で思ってると、

翔「松本さん？」

って声をかけられた。