素直になれなくて《O.S》１ (ページ20)

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20.花＊Satoshi side＊ページ20

終礼の後、気が向いたから

というよりは、なんか今日は行かなきゃ行けねぇ気がして

とりあえず美術室へ行った。

行ったは良いけど、特になんもする事ねぇしな…って思って、木の椅子に座って、

パラパラとスケッチブックを捲っていく。

途中で出てきた花の絵。

……懐かしーな。

パタンと閉じたそれを枕にして突っ伏すと

自然と意識が無くなっていく。

開けたままの窓から入ってくる風が心地良い。

誰かが隣に座る気配がしたけど、夢に遮られて良くわかんなくて…

さっき見た花の絵が、サッと花びらみたいに散った瞬間

夢から現実に引き戻されて、ふと目が覚めた。

智「Aちゃん……？」

手を机の下にぶらんとさせて、机にくっつけた右のほっぺが潰れちゃってる。

睫毛なげーし、ちょっと口尖らせて、かわいい顔して寝てんの。

起こしちゃ可哀想だよな…と勝手に納得して、

左肘をついてジッと寝顔を見つめる。

気持ち良さそーに寝てんな(笑)

なんとなく、ほっぺをツン…ってしてみると「んぅ」って眉間にシワを寄せて、うっすら目を開ける。

やべ…って思ったら、ガバッと起き上がって、「あっ、えっ…///」って。

智「おはよ(笑)」

「お、はようごさいま、す………///」

って恥ずかしそうに下を向いた。