素直になれなくて《O.S》１ (ページ16)

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16.直感＊Sho side＊ページ16

なんとなく、直感だよ？

直感だけど、智くんがAちゃんに他の人とは違う感情を抱いた気がした。

智くんとは中学の頃からずっと一緒で

めんどくさがりで、いっつも眠そうにしてるけど、ちゃんと自分をもってる人。

そんな人が

描いてる途中で誰かをその領域に踏み込ませた。

それも自ら。

高校に入ってから俺が企画実行委員、

智くんが美術部に入ってからはずっと学祭の美術展を一緒に作ってきた。

智『美術展？じゃあ翔くんが企画やってよ。』

なんて些細な一言でこうして2年間続けてきて、今年も出来ることになった。

2年間ともやってるけど、智くん自身の口で、「打ち合わせいつからすんの？」なんて俺初めて聞いたよ…？

あの後、帰ってる間もAちゃんはどこか上の空で。

なんかわかんねぇけどモヤッとした。

これがなんなのか、この時の俺はまだ気付いてない。

「今日はありがとうございました、ちゃんと美術室の場所覚えました(笑)」

翔「良かった(笑)GWまでに1回は連携で行ってもらうと思うから、頑張って。」

「はい！」

翔「じゃあ気を付けて。」

そう言ってポケットに突っ込んでた右手を挙げると、ペコッとお辞儀。

お疲れ様でした！って帰っていく彼女の後ろ姿を見送った。