第6話 ページ7
ホテルのフロントでAは菊池と丸を待っていた。先に先輩を待たせるのは気が引けると考えていたため、ホテルに着いてすぐに自分の部屋に戻って必需品を持って急いで部屋を出た。Aはソワソワしながら待っていて、傍から見れば少し心配される様子だった。
少しして、フロントに見覚えのある人影が二つ見えた。Aはすぐに気づいて頭を軽く下げた。
菊「早いなA」
『すぐに準備終わったんで。先輩を待たせるわけにもいかないですし』
丸「流石すぎだろ。いい後輩を持ったわぁ」
『そ、そんな・・・！』
菊「ほら、時間なるしそろそろ行くぞ」
菊池はそう言って呼んでいたタクシーに乗り込んだ。Aは入るのに躊躇したが、丸が早く行けよ、と背中を押してきた。その勢いのまま乗り込み、車が動き出した。助手席には菊池が乗っており、Aの隣には丸が乗っている。Aは密閉された空間に憧れの人と座れている事に緊張して心臓がバクバクしていた。手汗も掻いてきてどうしようかと思っていると、丸が肘でつつきAはその方を見た。
丸「そんな緊張すんなよ。逆にこっちが心配するわ」
『す、すみません・・・あんまりこういうの慣れなくて・・・』
丸「そんなの気にすんなよ。てか、チームメイトと馴染むのは大切なことだぞ」
『えっとぉ・・・(本当のことだから何も言えない・・・)』
菊「ちょい丸、そんなに後輩を攻めてやんなよ」
丸「してねぇよ」
菊池と丸はそのまま他愛のない話を続けた。Aはそんな二人の話に入れそうにないと思い、車の窓から見える景色に視線を動かした。
少ししてから目的の場所に着いた。そこは高級感が漂う焼肉店でAは店の前で呆然とした。なんでこんな所に来てるんだろうと思っているのもつかの間、菊池と丸に連れられて店内に入った。入ると店員が出てきて個室に案内された。その間にもAは豪華な店内に戸惑いながら二人の後に付いて行った。着いた先の個室に入り、三人は机を挟んで座った(丸が一人、菊池が隣)。個室に着くなり丸はメニューを手に取り、飲み物を決め始めた。
丸「俺、焼酎の水割りにするわ。キクは？」
菊「俺はビール。Aはどうするんだ？」
『へっ？！・・・ぁ、えっと、う、ウーロン茶でいいです』
丸「ウーロン茶な。飯は適当に頼むけどいいか？」
『あ、はい、大丈夫です』
丸は店員を呼び出し、注文をした。その間に菊池はAに声をかけた。
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名無し54724号(プロフ) - めちゃめちゃ応援してます！頑張ってください！ (2020年7月14日 22時) (
レス) id: f71c8c4988 (このIDを非表示/違反報告)
ちぃ(プロフ) - ご指摘ありがとうございます。すぐに直させていただきました。 (2020年5月27日 17時) (レス) id: d4d73ca949 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ちぃ | 作成日時：2020年4月30日 0時
