第5話 ページ6
Aは野間と鈴木とで談笑しながら食べ進めて、気づいた頃には午後の練習の時間が近くなっていた。三人は練習に戻っていき、それぞれの練習場所に分かれた。野間は違う練習メニューが入っており、Aと鈴木は同じらしく、一緒に練習に向かった。
午後の練習は打撃練習で、Aはトスティーに入ろうとした。練習場所に行くと何人かが先に練習をしていて、Aは順番待ちになるのかと思っていた。すると、隣から声をかけられ、振り向いてみた。そこにはまた話しかけられる事があまりなさそうな人物が立っていた。Aは少し緊張しながらも声をかけた。
『ど、どうしました、菊池さん』
菊「アメこっちは入れよ。終わって誰もいないし」
『あ、はい・・・て、アメ?』
菊「アメはアメだろ。駄目か?」
『ぁ、いえ大丈夫です!ありがとうございます!』
俺は菊池さんにお礼を言って練習に入った。
菊「・・・変なやつ」
数時間後。Aはそのまま黙々と練習を進めていき、ある程度のメニューをこなし終えた。ロッカールームに戻って帰る準備をしていた。服も着替え終わってタオルを首にかけてスマホを見ていると、誰かから後ろから声を掛けられた。振り返ってみると、ラフな格好をしている菊池がいた。菊池は少しだけ背の高いAを見上げて、今日飯行こうぜ、と声を掛けた。Aは突然の誘いにビックリして、え、と声を漏らした。まさかの人に誘われるなんて考えもしなかったAは菊池を前に目を泳がせていた。その時菊池の後ろから一人の人物が歩いてきた。
「何してんのキク、新人イビリ?」
菊「ちげーよ。なんでいっつもそんな言い方になんのかなぁ、丸ちゃん」
丸「んー、なんでだろうな」
『(えぇぇ・・・なんで有名選手二人が来んのぉ・・・?!)』
菊「んで、アメは行くのか?行けないなら行けないでいいけど」
『あ、えっと・・・その・・・是非、ご一緒させてください!』
丸「なら俺も行くわ。先にホテル戻っとくな」
菊「それなら一緒に行こうぜ。アメ、ホテルのフロントに七時集合な」
『は、はい』
菊「じゃ。行こうぜ丸」
丸「ん」
菊池と丸はその場を離れていった。Aは内心、心臓がバクバクしているのを感じていた。まさかの人物に誘われるとは思いもしなかったため、人見知りがまた出てしまった。冷や汗を拭ってAは荷物を持ってホテルに帰る帰路についた。
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名無し54724号(プロフ) - めちゃめちゃ応援してます!頑張ってください! (2020年7月14日 22時) (レス) id: f71c8c4988 (このIDを非表示/違反報告)
ちぃ(プロフ) - ご指摘ありがとうございます。すぐに直させていただきました。 (2020年5月27日 17時) (レス) id: d4d73ca949 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:ちぃ | 作成日時:2020年4月30日 0時